GINZA MIYAKO CLINIC

副作用を緩和する

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手足症候群

抗がん剤の副作用の中で、手足の皮膚や爪に生じる副作用のことをまとめて「手足症候群」と言います。これらは特定の抗がん剤によって起こります。抗がん剤によって表皮の元になる細胞が障害される、汗腺から分泌された抗がん剤が表皮を直接障害するといったメカニズムが考えられています。

初期症状は、しびれやピリピリするような感じ、痛みなど、末梢神経障害と似たような症状が出ます。また、初期のうちは見た目の変化がないことが多く、判断が付きにくいです。その後、手足が赤く腫れる、皮膚がガサガサする、ひびわれる、色素沈着が起こる、水ぶくれが生じる、痛みが強くなる、爪が変形する、爪が抜けるなどの症状が出てきます。特にかかとや指先など力のかかるところに症状が出やすく、重症化すると日常生活に支障をきたすようになります。確立した治療法はなく、保湿剤やステロイド軟こうが用いられます。重症化したら抗がん剤を減らすか中止するしかありません。

当院では、手足症候群に対してCBDバームを使用しており、約7割の患者さんで改善が見られております。CBDの抗炎症作用とターンオーバーを整える作用、ワセリンの保湿作用で、手足症候群に効果が出ていると考えています。

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末梢神経障害

抗がん剤治療の副作用で、四肢(手足)で最も症状がみられます。具体的には、「しびれ」「ジンジンと痛む」「感覚が鈍い」などで、末端に行くほど強く表れます。
これらの異常な感覚は日常生活に支障をきたし、重症例では歩行困難や、衣服の着衣ができなくなることもあります。
「吐き気」「だるさ」「脱毛」などは多くの抗がん剤で起こりやすい副作用ですが、「末梢神経障害」は限られた抗がん剤でしか起きず、その抗がん剤を使用していない患者さんにとっては無縁の症状と言えます。
末梢神経障害は抗がん剤の使用総量と関係していて、抗がん剤の投与回数が増えれば増えるほど出現しやすく、症状が重くなっていきます。また、抗がん剤治療をやめても、症状は月単位や年単位でしか改善せず、最終的に後遺症として残ってしまうことも多いです。

末梢神経障害は見た目にはわかりにくいため、患者側から訴えない限り、医師も対応してくれません。また、末梢神経障害の予防や治療には確立された方法がないため、いくつかの薬剤が経験的に投与されています。症状の改善がみられるケースがある一方で、まったく改善しないことも多いです。

当院では、幹細胞やその培養液による神経再生医療や、CBD(カンナビジオール)製剤で、末梢神経障害の治療を行っております。詳しくはお問合せください。

脂肪由来幹細胞による治療

脂肪由来幹細胞は、オキサリプラチン誘発性の神経障害を起こしたマウスで、痛みを軽減させた。

Adipose-derived stem cells decrease pain in a rat model of oxaliplatin-induced neuropathy: Role of VEGF-A modulation. Neuropharmacology,131:166-175.2018年

CBD(カンナビジオール)による治療

カンナビジオールは、神経系の機能や化学療法の効果を減弱することなく、5-HT(1A)受容体を介して、パクリタキセル誘発性の神経性疼痛を阻害する。

Cannabidiol inhibits paclitaxel-induced neuropathic pain through 5-HT(1A) receptors without diminishing nervous system function or chemotherapy efficacy. Br J Pharmacol. 171(3):636-45.2014年

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脱毛

抗がん剤の副作用として、多くの人が想像するのが脱毛ですが、すべての抗がん剤で起こるわけではありません。脱毛は、髪の毛だけでなく、まつげ、眉毛、鼻毛、体毛などでも起きます。脱毛が起こる抗がん剤を使用した場合、初回治療の2-3週間目から起こり始めます。脱毛は一時的な副作用で、抗がん剤を中止した後、3か月から半年で生え始めます。

脱毛を抑制する方法

・頭皮冷却法
抗がん剤を投与する際に、頭部を冷却し血管を収縮させることで、頭皮(毛根)に回る抗がん剤の量を減らし、脱毛の程度を抑えます。
・αリポ酸誘導体
抗がん剤が毛根に炎症を起こすことで脱毛が生じるとされています。αリポ酸を頭皮に塗ることで、炎症を抑えて脱毛を抑制すると考えられています。アデランス社の®ヘアリプロメディアルファで臨床研究の報告があります。
・培養上清液頭皮内注入
炎症を抑えるTGF-βや、発毛に関わるKGFなど様々なサイトカインが含まれている培養上清液を、直接頭皮内に注入することにより、発毛を促します。
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吐き気・おう吐

抗がん剤の副作用で、最もイメージが悪く不安に感じるのが吐き気やおう吐だと思います。新しい吐き気止めの登場で、以前よりはコントロールできるようになったものの、相変わらず吐き気やおう吐で悩む患者さんは少なくありません。
吐き気・おう吐の症状は以下の3種類に分けられ、それぞれ使用される薬剤が異なります。

① 急性おう吐 治療開始後~24時間以内に起こる
イメンド、グラニセトロン、プリンペラン、ナウゼリンなどが用いられる
② 遅発性おう吐 治療開始後24時間くらいから起こり、最大1週間ほど続く
ステロイド(デキサメサゾン)が主に用いられる
③ 予期性おう吐 抗がん剤治療を想像しただけで吐き気を感じたり、おう吐したりする
抗不安薬や抗精神薬が用いられる

①は新薬の登場により、だいぶ症状が抑えられるようになりました。しかし、②③のコントロールは、西洋医学だけではまだまだ難しい状況です。特に③の予期性おう吐は、CBDオイルの抗不安作用に相性がよく、様々な研究で予防効果が報告されています。

当院では、抗がん剤治療による吐き気やおう吐を軽減する目的で、標準治療と併用もしく単独でCBDオイルを使用しており、多くの患者さんで吐き気の軽減が見られています。

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味覚障害

抗がん剤治療中の患者さんの5-6割で味覚障害の副作用が生じると言われています。原因は、抗がん剤によって、舌にある味を感じるセンサーの役割をする味蕾(みらい)の細胞が影響を受けたり、味蕾の細胞を作るのに必要な亜鉛の吸収が妨げられたりして起こると考えられています。

症状は様々で①食べ物の味が感じにくい②食べ物の香りが分からない③口の中で嫌な味がする④口の中が苦いなどが主にみられます。また、味の感じにくさで言うと、うま味や塩味が最も感じにくくなるため、みそ汁や醤油の味が分かりにくくなります。逆に、酸味や甘味は障害されにくいので、酸っぱいものや甘いものだと大丈夫という人が多いです。
味覚障害の治療法で確立されたものはありません。多くの場合、抗がん剤投与から2週間ほど経てば味蕾が再生してくるため、それを待つというのが現状ですが、下記のような対策で改善することがあります。

①②のように、嗅覚とともに味覚の感覚が低下している場合には、亜鉛不足の可能性があり、亜鉛含有製剤を内服することで回復する方がいます。ただ、亜鉛含有製剤は保険の適応外となることがあるので、主治医と相談が必要です。
亜鉛含有製剤…ポラプレジンクOD錠75㎎、プロマックD錠75

③④は、抗がん剤投与直後から数日にかけて起こり、口腔内の乾燥を伴うことが多いです。抗がん剤が唾液に溶けだして苦みを感じさせる場合には、こまめにうがいをしたり、飴をなめたり、ティッシュペーパーなどで舌をぬぐうなどして、唾液中の抗がん剤の濃度を下げます。

がんに関する相談
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がん治療相談室

がんの相談外来

がん治療に関してのセカンドオピニオンをはじめ、がんに関わることなら何でも受け付ける相談室(相談外来)を設けております。院長は外科医として数多くの種類のがん手術を経験してきたということもあり、がんの手術的治療に関する相談を得意としています。(手術経験のあるがん:脳腫瘍、頭頚部がん、甲状腺がん、胸腺がん、食道がん、胃がん、食道がん、大腸・直腸がん、胆嚢がん、胆管がん、膵臓がん、肝臓がん、肺がん、悪性中皮腫、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、軟部組織腫瘍・肉腫)

がんの相談外来インタービュー
(松尾紀子アナウンサー)
がん難民外来

日本の保険診療は、がん難民を生み出すシステムだと強く感じています。標準治療をためらったり、セカンドオピニオンを求めたりして、主治医の方針に従わないと病院から追い出されてしまうということが現実にあります。その方々は、「がん難民」として行き場をなくし、路頭に迷ってしまうということが。

それ以外でも、「主治医を信頼できない」「主治医が相談にのってくれない」など、精神的に難民となってしまうことがあります。
がん難民となってしまった方々に対して、主治医との付き合い方や転医に関してなど、一般的なセカンドオピニオンではできない相談も受け付けております。

著書:がんよろず相談室

がん患者さんやご家族、一般の方の、がんについての様々な悩みや疑問に、診察室を離れてこたえるというものです。場所は、ジムだったり、居酒屋だったりします。

内容は、

  • 「がん医療の水準は施設間で差があるのか」
  • 「がんを徹底的に調べるには」
  • 「なぜ民間療法を選択するのか」
  • 「子宮頸がんワクチン接種は有効か」
  • 「がんサバイバーの社会復帰は可能か」
  • 「いわゆる余命宣告についての誤解」
  • 「正しいがん情報をどうやって取得すればよいか」

など、がんについての情報や考え方が得られるようになっており、少し教科書的かもしれません。
ただ、対話形式ですので、抵抗が少なく読みやすいと思います。

推薦文は、杏林大学名誉教授の呉屋朝幸先生に書いて頂きました。
一部を抜粋します。

「がんとの戦い」では、
患者と医師は戦友です。
本書はがんの知識だけでなく、
医師と”友”となるきっかけや
ノウハウをとても上手に教えてくれます。

がん治療に対する院長の思い

私は以前、外科医としてがんの手術治療と抗がん剤治療を精力的に行っていました。しかし、乳がんを患ったいとこを主治医として看取ったのを最後に、がん治療の世界から離れました。手術後に乳がんが再発した彼女は、あらゆる抗がん剤を使用しましたが、すべて効かなくなってしまい、最期は緩和ケアを行いました。

当時の私は、いとこのためにできることはないかと、海外ではすでに使用されていた日本未承認の抗がん剤や代替医療など、ありとあらゆる治療を調べました。可能性のありそうなものがいくつかありましたが、保険診療の病院に勤務している私にはそれらを使用することはできませんでした。最後の抗がん剤が効かなくなったことを告げた時のいとこの顔は、いまだに忘れることができません。

手術、抗がん剤、放射線といった標準治療はしっかりとしたエビデンスがあり、素晴らしい治療だと思いますし、もし身内ががんを患っても、同じように標準治療を優先させます。しかし、進行がんや再発がんの場合には、標準治療だけでがんを治すのは難しいという事実があります。私は標準治療の限界を感じてがん治療を辞めてしまったものの、統合医療を学んだり、国内外のがん学会に参加して最新の治療法を学んだりして、『がんに克つ方法』を模索し続けました。

そして今、遺伝子治療や免疫療法をはじめ、東洋医学やサプリメントに至るまで、多岐にわたり私の信じる様々な治療法を実践しています。がんに直接作用する治療法もあれば、患者さん自身の免疫力を上げる治療法もあります。がんといっても、臓器や種類と進み具合など人によって治療効果も経過もまるで異なるため、患者さんに合った、その時々に合った治療法を選択し、患者さんとともにがんと戦っていきます。