
抗がん剤はやめられる?治療継続の判断と希望の事例
濱元誠栄院長こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
「抗がん剤が効いてがんが小さくなったから、もう薬をやめてもいいんじゃないか?」
「副作用も辛いし、この治療はいつまで続くんだろう…」
診察室で、患者さんからこういった質問や不安の声をいただくことが本当によくあります。
終わりが見えない治療への不安、痛いほどよく分かります。
今回は、「抗がん剤治療はやめられるのか?」という切実な疑問について、医学的な現実と、実際に薬を卒業できた「希望の事例」についてお話しします。
医学的な現実:なぜ基本は「エンドレス」なのか
まず、正直に厳しい医学的な結論からお伝えしなければなりません。
残念ながら、固形がんのステージ4において、抗がん剤治療は基本的に「エンドレス(終わりのないもの)」です。
「えっ、どうして?」と思われるかもしれません。理由は大きく2つあります。
1. 見えない「微小転移」の存在
CTやMRI検査でがんが消えたように見えても、それはあくまで「画像に映らないミリ単位の小さながん」が残っている可能性が高いことを意味します。
ここで薬をやめてしまうと、残っていたがんが再び増殖してしまうリスクが高いのです。
2. 標準治療の目的は「共存」
ステージ4の治療目的は、残念ながら「完治」ではなく「がんとの共存(延命)」に設定されています。
薬が効かなくなるか、副作用で体が耐えられなくなるまで使い続けるのが一般的なルールです。
つまり、多くの場合、薬をやめるのは「治ったから」ではなく、「体がもう限界だから」という消極的な理由であることが現実です。
それでも諦めない!治療を「卒業」できる2つの希望
厳しいお話をしましたが、ここで諦めないでください。
実際に劇的に薬が効いて、治療を卒業できた「希望のパターン」が存在します。
それが以下の2つです。
① コンバージョン手術(Conversion Surgery)
これは、薬でがんを小さくして、本来は手術できなかったがんを手術で取り切ってしまう方法です。
例えば、肝臓への転移が多くて「手術不可能」と言われた状態から、抗がん剤で転移が消えたり小さくなったりすれば、手術で全て切除できる可能性があります。
体内からがんが無くなれば、抗がん剤を卒業したり、軽い飲み薬だけに変更したりできる、大腸がんや胃がんなどで目指せる理想的なゴールです。
② 完全奏功(免疫チェックポイント阻害薬の効果)
オプジーボやキートルーダといった「免疫療法」が劇的に効き、自分の免疫力ががんに打ち勝つケースです。
画像上でがんが完全に消える「完全奏功」の状態になり、一定期間(約2年など)を経て治療を中止しても、その後再発しないという事例が出てきています。
実際に薬をやめられた事例
当院でも、実際に抗がん剤をやめることができた事例があります 。
- 膵臓がんステージ4の方: 標準治療に免疫療法などを組み合わせ、腫瘍マーカーが正常化し、コンバージョン手術に成功。
- 大腸がん・食道がんの方: 巨大な転移があったものの、治療で縮小し手術に成功。現在は経過観察などで元気に過ごされています。
「卒業」の可能性を高める3つのポイント
では、少しでもその可能性を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?
- 体力と栄養を落とさない 治療を長く続け、チャンスを待つための体作りが最優先です。
- 自分に合う薬を徹底的に探す 標準治療だけでなく、遺伝子検査などで可能性を探る姿勢を持つこと。
- 諦めずに主治医に聞く 「手術は無理」と言われても、「薬が効いたら手術できますか?」と確認し続け、コンバージョン手術を目指す意志を伝えることが大切です。
まとめ
ステージ4のがん治療は「継続」が原則ですが、ただ漫然と受けるのではなく、「治してやる!」という目標を持って戦略を立てることで、道が開けることがあります。
もし「もう打ち手がない」と言われても、諦めずにセカンドオピニオンなどを活用してください。
納得できる最適な治療を一緒に考えていきましょう。













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