「がん5年生存率」は見なくて良い!データより「今の医療」を信じるべき理由

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濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

先日、厚生労働省から最新のがん5年生存率が発表されましたね。

ニュースでその数字を目にして、思わず言葉を失ったり、厳しい現実に落ち込んでしまった方もいらっしゃるかもしれません。

特に、ご自身の病状に関わる数字が厳しいものであれば、「自分の未来もこうなってしまうのか」と不安を感じるのは当然のことです。

しかし、現場で日々がん治療に向き合っている医師として、皆さんにどうしてもお伝えしたいことがあります。

それは「この数字を、あなたの未来予想図として受け止める必要は全くない」ということです。

今回は、なぜそう断言できるのか。統計の数字に縛られないための「心の処方箋」をお話しします。

目次

なぜ「5年生存率」を気にしすぎなくて良いのか?

理由はとてもシンプルです。 今回発表されたデータは、「2016年にがんと診断された方々の記録」だからです。

今は2026年です。 この「10年の差」が、がん医療の世界においてどれほど大きな意味を持つか、想像できるでしょうか?

医療の世界、特にがん治療の分野において、10年という月日は「景色が一変する」ほどの長さです。

2016年の時点ではまだ世に出ていなかった、あるいは一般的ではなかった治療法が、今では当たり前のように使われています。

つまり、今回発表された生存率は、「最新の武器がまだ少なかった時代の、過去の戦いの記録」に過ぎないのです。

この10年で「がん治療」は劇的に進化しました

では、具体的に何が変わったのでしょうか?

2016年以降に登場・普及し、治療成績を大きく向上させた「新しい武器」の例をいくつか挙げてみましょう。

  • 免疫チェックポイント阻害薬の普及
  • 遺伝子パネル検査による「ゲノム医療」の保険適用
  • 陽子線や重粒子線治療の適用拡大

これらは、10年前のデータには十分反映されていない「今の医療」の力です。実際のデータで見ても、その進化は明らかです。

【進化した治療の具体例】

  • 大腸がん(MSI-High/dMMR) 2021年に承認された免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」により、生存期間が大幅に延長(77ヶ月と6年以上)しました。
  • 肺がん(ステージ3) 2018年に承認された「イミフィンジ」が、生存期間を5年以上に延ばしています。
  • 卵巣がん(BRCA陽性) 2018年承認の分子標的薬「リムパーザ」により、5年生存率が13%もアップしました。
  • HER2陽性乳がん 2022年承認の「エンハーツ」が登場し、以前の薬(カドサイラ)に比べて再発しない期間を大幅に延ばしています。
  • 前立腺がん 2018年に承認された「陽子線治療」を選択することで、5年生存率が10%近く向上しています。
  • 膵臓がん 「治療が難しい」と言われる膵臓がんでさえ、2016年以降、ゲノム検査に基づいた新しい治療の選択肢がいくつも増えています。

あなたは「過去の統計」よりも有利な条件で戦っている

お伝えしたいのは、「統計上の数字が、あなた個人の寿命を決めるわけではない」ということです。

私たちが向き合うべきなのは、10年前の古いデータではありません。 目の前にある、今使える最新の治療です。

あなたは、あの統計の時代よりもずっと強力な武器を手にし、はるかに有利な条件で病気と戦っています。 どうか、そのことに自信を持ってください。

「自分はもっと良い環境で治療ができているんだ」という前向きな気持ちこそが、治療において何よりも大きな力になります。

迷ったときは、いつでも相談してください

もし、今の治療方針やこれからの選択に迷いがあるなら、一人で抱え込まずにいつでも相談してください。

銀座みやこクリニックでは、豊富な選択肢の中から、あなたとご家族にとって納得できる「最適の治療」を一緒に考えます。

最新の医療をどう味方につけるか、一緒に戦略を練っていきましょう。

濱元誠栄院長

「銀座みやこクリニック」では、がんの専門家がじっくり答えるセカンド・オピニオンを受け付けております。

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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