食品添加物や超加工食品~コンビニ食が癌・糖尿病・認知症を引き起こす理由【がん専門医が解説】

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濱元誠栄院長

皆さんこんにちは!銀座みやこクリニック院長の濱元です。

今回のテーマは「コンビニの超加工食品でがんになる?」です。

「コンビニ食に含まれている添加物とは」「超加工食品でリスクが上がる病気」「コンビニ食を食べる時の工夫」についてお話していきます。

目次

コンビニ食の問題は食品添加物?

「コンビニ食」とネットで検索してみると「体に悪い」という予測変換が出てきます。実際、コンビニ食=体に悪いというイメージを持っている人は少なくありません。それをネタにして「コンビニ食、毎日食べてみた結果」というような記事や動画もチラホラ見かけます。

では、いったいコンビニ食の何が問題なのか?本当に体に悪いのでしょうか?

おそらく多くの人が「添加物が入っているから体に悪い」と答えるかもしれません。食品添加物とは乳化剤や甘味料、保存料など、食品の味や形を整えたり、食品の日持ちを良くしたりする目的で食品に加えるものを言います。

皆さんの想像通り、コンビニ食にはこの食品添加物が多く含まれています。というか、食品添加物なしではコンビニ食はなりたちません。

考えてみてください。コンビニおにぎりは時間が経ってもご飯が硬くならず、いつでも美味しい状態で食べることができます。パンは数日経ってもまったくかびません。サラダも野菜がしなびることなくいつでもシャキシャキの状態で食べることができます。

普通に家庭で作ったら、こんなことありえませんよね。

コンビニ食は時間に関係なく多くの人を相手にしているため、食べ物を腐らせず、しかも美味しく食べることができるよう、食品添加物の力を借りなければならないのです。

ここで、コンビニおにぎりに使われている食品添加物を見てみます。

  • 加工デンプン
  • 増粘多糖類
  • pH調整剤
  • グリシン
  • 調味料(アミノ酸等)
  • 着色料
  • 酸化防止剤

このように多数の食品添加物が含まれています。コンビニのお弁当も同じような食品添加物が含まれています。

ただ、これらの食品添加物はそれぞれ動物実験で安全性が確認されており、人が生涯毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと考えられています。なので一つ一つは直接的な問題はなさそうです。

しかし、食品添加物を加えることで他の問題が起こることがあります。グリシンという食品添加物は実際の塩分よりも塩味を薄める働きがあります。

コンビニのおにぎりには1個当たり1g以上の塩分が含まれています。おにぎりがしょっぱくなく美味しく感じる塩味は0.5gと言われているので、コンビニおにぎりにはその倍量含まれています。

ちなみに日本人の1日の塩分摂取量は男性で7.5g未満、女性で6.5g未満が目標なので、コンビニおにぎりを2、3個食べるとそれだけで目標値の半分くらいになってしまいます。

ちなみにコンビニおにぎりは米粒がくっつかないように油と一緒に炊かれていて、脂質の摂取量も増えてしまいます。食品添加物よりも塩分と脂質の過剰摂取の方が問題になりそうです。

「超加工食品」とは?

さて、食品添加物自体は安全性が高いと言いましたが、食品添加物を多く含む超加工食品を摂取しているとがんをはじめとした様々な病気のリスクが高まるという研究があります。

超加工食品は「食品添加物など5種類以上の素材を工業的に配合して製造された、加工の程度が高い食品」のことを言います。具体的には清涼飲料水や菓子パン、カップ麺、冷凍ピザ、ハムやソーセージなどの加工肉、アイスクリーム、マーガリンなどのことを指します。コンビニに置いてある揚げ物類やお弁当などもこれに当てはまります。

これら超加工食品が体に悪い4つの理由が考えられています。

①栄養バランスの偏り

超加工食品は基本的に高カロリーで脂肪と塩分が多く含まれており、良質なタンパク質や野菜、食物繊維などが少なく、バランスの悪い食事となってしまいます。

②食品添加物による間接的な害

食品添加物が直接腸を傷つけるのではなく、腸内細菌を変化させ、腸内環境を悪くすることで、腸の炎症を引き起こす可能性が考えられています。

③高温調理による有害物質の発生

揚げ物など120℃以上で加熱する時に発生するアクリルアミドという物質は発がん性があると言われています。

④食欲増進ホルモンへの影響

超加工食品を食べると食欲増進ホルモンであるグレリンの値が上昇することが分かっています。超加工食品を食べ続けると、食欲が増し、カロリーを余分に摂り体重が増える傾向にあります。

超加工食品と健康への悪影響

では実際のどのように体に悪い影響を与えるのか。超加工食品と健康について調べた研究結果を見てみます。

①死亡率が上昇する

超加工食品の摂取が10%多いと死亡リスクが14%上昇しました。

②肥満になりやすくなる

2週間の実験で超加工食品を多く摂取するグループでは、1日当たり500kcal多くなり、体重が約1kg増えるという結果でした。

③糖尿病になりやすくなる

超加工食品の摂取が10%増えるごとに、糖尿病のリスクが15%上昇するという結果でした。

④認知症になりやすくなる

超加工食品を多く摂取すると認知機能が低下する速度が速くなる、つまり認知症になるスピードが速くなりました。

⑤がんになりやすくなる

がんについてはここ数年でたくさんの研究結果が発表されました。ある研究では超加工食品の摂取量が10%増加するごとに、がんになるリスクが12%上昇しました。

また、ある研究では、超加工食品を最も多く摂取しているグループと最も少ないグループを比べると、肺がんで25%、卵巣がんで45%、脳腫瘍は52%、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫では63%リスクが高くなるという結果でした。

またこの研究では死亡リスクも調べています。超加工食品を最も多く摂取しているグループと最も少ないグループを比べると肺がんで38%、乳がんで62%、卵巣がんでは91%も死亡リスクが高くなるという結果でした。

大腸がんについて調べた研究では、超加工食品を最も多く摂取しているグループは最も少ないグループと比べて大腸がんを発症するリスクが男性で29%も高かったという結果でした。

特にソーセージやベーコン、ハムなどの加工肉が多いグループでは44%もリスクが高かったようです。ちなみに、女性では超加工食品と大腸がんリスクに関連は見られなかったようです。

~~~

超加工食品を多く摂るとどうなるかについてのまとめです。

死亡率が高くなる

肥満になりやすくなる

糖尿病になりやすくなる

認知症になりやすくなる

肺がん、卵巣がん、大腸がん、脳腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のリスクが高くなる

コンビニ食、超加工食品とどう付き合うか

これまで「超加工食品が体に悪い」という話をしてきましたが、今や私たちの食生活は超加工食品なしでは成り立ちません。すべて排除するというのは不可能です。

ただ、少し意識して超加工食品を減らすような努力をしてください。コンビニ食を食べないようにするのではなく1日1回だけにするなどですね。コンビニ食は糖質と脂質が多いので、2食をコンビニにすると栄養バランスが偏ってしまいます。

またコンビニによっては無添加もしくは添加物を減らした食品に力を入れているところもあります。そういったものを選ぶようにするのも一つの方法です。

一番大事なことは自ら考えることです。成分表記を見る癖をつけましょう。そうすれば食品添加物が多すぎるものを避けるなど、自ら工夫ができます。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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