【アブゲム後】オニバイド+TS-1が膵臓がんの標準治療となるか!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

第1/2相試験ですが、こんな結果が発表されました!

日本がん対策図鑑
【膵がん:二次治療(OS)】「オニバイド+S-1」 | 日本がん対策図鑑 遠隔転移を有する膵がんと診断され、ゲムシタビンを含む一次化学療法に不応となった日本人49名が「オニバイド+S-1」治療を受けた結果、10名(20.8%)の人が治療に奏効した...

二次治療のオニバイドにTS-1(ティーエスワン)を加えると、生存期間が10か月になるというものです。

現在の転移性膵臓がん(ステージ4)の治療フローはこのようになっています。

GnP(アブラキサン+ジェムザール)の後は、FOLFIRINOX(フォルフィリノックス)かオニバイドを使用します。

オニバイド(+5-FU+LV)を使用した際の成績はコチラ。

日本がん対策図鑑
【膵がん:二次治療(OS)】「オニバイド+5-FU+ロイコボリン」vs「5-FU+ロイコボリン」 | 日本がん対策図... 「ゲムシタビン」を含む治療を受けたことがある人が次の治療を考える場合、「5-FU+ロイコボリン」治療に「オニバイド」の上乗せを選択することで生存期間の延長が期待でき...

両者を直接比較した試験はありませんが、数字だけで見てみるとオニバイド+TS-1の方が成績は良さそうです。

オニバイド+5FU+LVオニバイド+TS-1
奏効率17%20%
無増悪生存期間3.1か月5.7か月
生存期間6.1か月10.3か月

何より、FOLFIRINOXのようにポートを作らなくてよいのと、アブラキサンの末梢神経障害(しびれ)にオキサリプラチンの末梢神経障害が加わらずにすむので、生活の質は上がるかもしれません。

まだ第1/2相試験ですが、これから第3相試験を行い、早めに承認されて欲しいですね。

世界では日本で開発されたTS-1は全然使われていないので、日本主導の臨床試験だとやっぱり遅いのと、オニバイド自体が日本での承認が遅かったというのも問題です。

オニバイドはFDAは2015年承認、日本では2020年承認されています。

ドラッグ・ラグはまだまだ、、、

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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