【生存率UP】限局型小細胞肺がんの放射線量は45Gyで良いのか?

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

限局型小細胞肺がんでは、手術もしくは化学放射線治療が行われます。

詳しくは過去ブログで。

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ガイドラインでは、化学放射線治療の際の放射線量は45Gy(グレイ)/30回(加速過分割照射:1日2回照射)がレジメンとなっています。

今回発表された臨床試験では、45Gy/30回よりも60Gy/40回の方が生存期間を延長させるという結果でした。

日本がん対策図鑑
【限局型小細胞肺がん:化学放射線療法(OS)】「放射線治療(60Gy)+化学療法」vs「放射線治療(45Gy)+... 限局型小細胞肺がんと診断された人が化学放射線療法を考える場合、線量を「60Gy 40分割」を選択することで「45Gy 30分割」を選択した場合を上回る生存期間が期待できる。

今までの標準であった、PE(シスプラチン+エトポシド)+45Gy/30回同時治療の放射線量が、今後60Gy/40回に変わっていくと思います。

実は、日本でも放射線量を増やして無増悪生存期間を延長させたという報告がありました。

広島市民病院の放射線科の松浦先生の講演を参照にしました。

*画像をクリニックすると、サイトに飛びます。

講演の中で54Gyに増やした際の成績です。

生存率では有意差は出ていませんが、54Gyの方が生存率が高くなる傾向があります。無増悪生存期間は明らかに54Gyの方が有意さをもって高くなっています。

限局型小細胞肺がんは、2025年3月にイミフィンジの維持療法が承認されました。

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今後、放射線量を増やすことで、ますます生存期間が延びる可能性があります。

限局型小細胞肺がんの5年生存率は、ステージ1で38%、ステージ2で26%、ステージ3で16%と、かなり厳しい状況です。

放射線量の増加やイミフィンジなどの免疫チェックポイント阻害薬で、将来的にはもっと生存率が上がっていくと思います!

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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