【信じられない医師の発言】抗がん剤から逃げないで!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

先日、患者さんのご家族からご相談がありました。

患者背景

・50代

・消化器系のがん ステージ4

・S県のがんセンターで治療中

・食事がとれず栄養点滴目的で入院中

・一次治療(抗がん剤)を行ったが、奏功せず増悪

・抗がん剤の副作用+がんの進行で弱っている

・主治医は早期の二次治療(抗がん剤)を勧めている

患者さん本人は、がんが進行する怖さがあるので抗がん剤はしなければと焦りがありつつも、副作用で弱っているこの状態で本当に抗がん剤を行って大丈夫なのかと不安も大きく、かなり悩まれているそうです。

本人もどうしてよいか分からないし、ご家族もどうしてよいのか分からないということで、ご家族が当院に相談に来られました。

主治医の先生からは、『1か月空くと、(規定で?)次の抗がん剤ができなくなるから、やるなら早くやる、やらないなら退院』とせっつかれているそうなんです。。。

1か月空いたら二次治療ができなくなるなんて、そんな訳があるわけないのに。。。

しかも、患者さんが悩んで決めきれなかったら、

『抗がん剤から逃げないで!』

と言われたそうです。。。

『(抗がん剤)やらなきゃ死ぬぞ』とか『よそに行くなら出ていけ』と脅す医師は少なからずいましたが、『抗がん剤から逃げるな』というのは初めて聞きました。

本人もやらなければ悪化するのは分かっているけど、副作用で弱っていて不安が強いのに、その追い込みは、精神的にまいってしまっています。

はたで見ているご家族も困ってしまって、私のところに相談に来たわけなんですけどね。

主治医への抗がん剤をするしないの最終返事の期限は、数日後、、、

さて、私はどのようにアドバイスしたか?

①抗がん剤を減量して一度だけ治療をする

もし、がんセンターでの治療が希望で主治医との関係を続けたいのであれば、とりあえずは言うことを聞いて、一度は抗がん剤治療を行う。

ただし、体の状態が悪いことを強く訴えて減量してもらう。

こうして時間を稼いでいる間に、次の手を考えるという作戦です。

『若いから』と減量してくれない可能性はありますが、でも全身状態が悪化してますからね、、、

②抗がん剤を断り転院する

このように話し合えない主治医との関係が上手く訳がなく、また、二次治療が効かなかった場合には、『あとは緩和で』と捨てられる可能性が高いので、今のうちから離れておくのも良いと思います。

転院先を探している間に、抗がん剤の副作用が抜けて体力を回復させることができれば、次の抗がん剤を考える余裕も出てくるかもしれません。

もちろん、その間に進行してしまうリスクはありますが、今のままだと、がんよりも先に抗がん剤で弱っていく可能性もあります。

こういった場合の転院先は、大学病院やがんセンターより民間の総合病院の方がよいと考えています。

ご両親が東京在住というのもあって、杏雲堂病院を勧めました。

こちらはがん診療も行っているし、何より緩和ケア(腫瘍内科)が素晴らしいのです。

民間病院なので対応も早いし、まずは電話で相談してみてくださいと伝えました。

おそらく今の状態を聞く限りでは、緩和ケアと並行して進め、元気になれば抗がん剤というのが理想かなと思います。

最終的に決めるのはご本人ですが、個人的には②が良いと思っています。

どちらを選ばれても、患者さんにとって良い方向に進みますように!

患者側からの話だけなので本当の情況は分かりませんが、『抗がん剤から逃げないで!』は、一方向な考えで患者さんを追い詰めるだけのような気がします。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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