
【医師解説】職場健診でがんを見つけられるのか??


こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
「健康診断を受けて異常なしと言われ安心していたのに、ステージ4のがんが見つかった」
という話をたまに耳にします。
職場健診などの健康診断は、検査項目に「がんを調べる項目」は基本的に入っていません。
では、職場健診ではがんは見つけられないのでしょうか??
国が指定している健康診断の項目を見てみます。


この中で、がんを発見する可能性があるのは、④胸部レントゲンでの肺がんくらいです。
(肝機能異常や貧血検査で異常があり、精密検査で見つかることはあります)
国民健康保険加入者などが受ける特定健康診査はもう少し項目が減ります。
協会けんぽの加入者に限り、生活習慣病予防検診として「胃バリウム(胃カメラ)」「便潜血反応」が加わり、胃がんと大腸がんを調べることができます。
まとめるとこんな感じです。


様々ながん種がある中で残念ながら
特定健康診査 →なし
一般的な職場健診 →肺がん
協会けんぽ →肺がん、胃がん、大腸がん
くらいしか調べることができません。
ただし、協会けんぽではオプションとして以下の検査が可能なので、
腹部超音波検査 →肝臓がん、胆のうがん、腎臓がん、膵臓がんなど
子宮頸がん検診
乳がん検診
上記のがんを調べることができます。
それを頭に入れておかないと、
職場健診で異常がない=がんにはなっていない
と考えて、油断してしまう可能性があります。
あとは、もっと多くを調べたいとなると、人間ドックがオススメです。
協会けんぽのような内容に加え、オプションで胸部腹部のCT検査、腹部MRI検査、PET-CT検査、腫瘍マーカーなどを調べることができます。
それで完璧にがんを発見できる訳ではありませんが、見つけられる可能性が高くなります。
がんを発見するのであれば
人間ドック >> 職場健診(協会けんぽ)> 職場健診(協会けんぽ以外)>> 特定健康診査
という感じです。
右側の二つはがんを見つけることがほぼできませんが、自治体が行っているがん検診(胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がん)を併用して、がんの早期発見に努めて欲しいです。
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