コロナワクチンでがん患者の生存期間が延びる!!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

ESMO(欧州臨床腫瘍学会)で、こんな発表がありました。

ESMO 2025: mRNA-based COVID vaccines generate improved responses to immunotherapy

タイトルを日本語訳すると、「mRNAに基づいた新型コロナワクチンは免疫療法への感受性を改善する」という感じでしょうか。

mRNAワクチンは警報のように機能し、体の免疫システムを警戒状態にしてがん細胞を認識し、攻撃することを発見しました。

これに応じて、がん細胞は免疫チェックポイントタンパク質PD-L1の産生を開始し、免疫細胞に対する防御機構として機能します。幸いなことに、いくつかの免疫チェックポイント阻害剤はPD-L1を阻害するように設計されており、これらの治療が免疫システムをがんに対して効果的に機能させるのに最適な環境を作り出します。

この研究には、数種類のがんの複数のコホートが含まれており、免疫療法治療開始から100日以内にmRNAワクチンを接種した患者を評価しました。

最初のグループでは、ワクチン接種を受けた進行非小細胞肺がん患者180人の生存期間中央値は37.33ヶ月であったのに対し、ワクチン接種を受けなかった704人の生存期間中央値は20.6ヶ月でした。転移性黒色腫患者コホートでは、ワクチン接種を受けなかった167人の生存期間中央値は26.67ヶ月でしたが、ワクチン接種を受けた43人の患者ではまだこの期間に達しておらず、有意な改善が示唆されました。

重要なのは、これらの生存率の改善は、免疫学的に「Cold」な腫瘍を持つ患者、つまり免疫療法への反応が期待できない患者において最も顕著であったことです。腫瘍におけるPD-L1発現が非常に低いこれらの患者は、COVIDワクチン接種により3年間の全生存率が約5倍に改善しました。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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