免疫チェックポイント阻害薬はどんな患者さんに効くのか?

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

いまやがん治療の重要なポジションを占めている、免疫チェックポイント阻害薬


日本で承認されているのは以下の8種類です(2024年11月現在)

PD-1阻害薬
・オプジーボ
・キイトルーダ
・リブタヨ

PD-L1阻害薬
・イミフィンジ
・バベンチオ
・テセントリク

CTLA-4阻害
・ヤーボイ
・イジュド


https://answers.ten-navi.com/pharmanews/28480/

多くのがんで、免疫チェックポイント阻害薬が適応となっていますが、適応を決める(=より効果が高いと思われる)指標があります

その指標となるのが、以下の4つです

PD-L1発現量
②マイクロサテライト不安定性(MSI)
③ミスマッチ修復機構欠損(MMR)
④TMB(腫瘍遺伝子変異量)




①例えば、非小細胞肺がんの場合は、PD-L1の発現量でキイトルーダの効果が変わります

発現量が50%以上だと、キイトルーダ単体でも化学療法を大きく上回る治療効果が期待できます

②③MSIとMMRは、主に大腸がん治療で使われます

MSI-High(マイクロサテライト不安定)もしくはdMMR(ミスマッチ修復機構欠損あり)の場合には、キイトルーダ単独で化学療法を上回る効果が期待できます

大腸がん以外の固形がんでも、MSI-High/dMMRがあるとキイトルーダが二次治療以降で使えます(子頸がんであればがん種を問わない)

④最後にTMBについて

TMB(腫瘍遺伝子変異量)が高値であるほど、キイトルーダが奏功します

キイトルーダは、TMB-High(腫瘍遺伝子変異量が高値)の固形がんに適応があります

最近の報告では、乳がんに関してはTMB高値では逆に免疫チェックポイント阻害薬が奏功しにくいとありました

Mutation burden and anti-PD-1 outcomes are not universally associated with immune cell infiltration or lymphoid activation

免疫チェックポイント阻害薬が奏功する目安として上記4つの因子がありますが、だからと言って必ず奏功する訳ではないですし、がんによっては逆に働くこともあるようで、免疫療法は一筋縄ではいかないです、、、

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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