【イナボリシブ】ホルモン陽性乳がんに新たな選択肢が!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

ASCO(米国臨床腫瘍学会)2025で、ホルモン陽性乳がんの新治療が発表されました。

日本がん対策図鑑
【HR陽性PI3CA陽性乳がん:一次内分泌療法(OS)】「イナボリシブ+イブランス+フェソロデックス」vs「イ... HR陽性HER2陰性PICK3CA変異陽性乳がんと診断され、術後補助療法加療中または終了1年以内に再発した女性が次の治療を考える場合、「フェソロデックス+イブランス」治療に「...

PICK3CA変異のあるホルモン陽性乳がんの標準治療に、イナボリシブというPI3K阻害剤を加えると、無増悪生存期間、生存期間ともに大きく延長しました。

PIK阻害剤というのは、PI3K-Art-mTOR経路と呼ばれる腫瘍増殖に関わる伝達経路を遮断する薬剤です。

Art阻害剤トルカプがホルモン陽性乳がんに対して2024年に承認されました。

あわせて読みたい
乳がん治療2024年最新治療~乳房温存術/乳房全摘術/ホルモン療法/抗がん剤/分子標的薬/ラジオ波焼灼術/... 【YouTube動画でご覧になりたい方はこちら】 https://youtu.be/vl-xDwrkoak?si=weCq8ZedfZ7_6AR7 こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。 今回は乳がん治療...

PI3K-Art-mTOR経路を川の流れに例えると、Art阻害剤は中流域を、PI3K阻害剤は上流を阻害する薬剤と言えます。

支流(Art)を堰き止めるより、上流(PI3K)を堰き止めた方が効果は高い可能性があります。

ホルモン陽性乳がんは、このPI3K-Art-mTOR経路が活性化しているので、この経路を止めることが重要です。

で、上流のPI3Kを止めるイナボリシブが注目されているのですが、日本での問題は、PIK3CA変異をいつ調べるかということです。

遺伝子パネル検査に用いる、Foundation One(ファウンデーション・ワン)という検査キットを使うしかないのですが、なかなかハードルが高くて一般の病院では難しいかもしれません。

せっかく良い薬剤が登場しても、パネル検査などによる個別化医療が進みにくい日本でどれだけ浸透するかは分かりません。

さて、どうなっていくのか、、、

濱元誠栄院長

「銀座みやこクリニック」では、がんの専門家がじっくり答えるセカンド・オピニオンを受け付けております。

お申し込みはお電話か、もしくはお問い合わせフォームへどうぞ。

当院のご紹介(トップページ)へ

ブログ記事一覧へ

銀座みやこクリニックの取り組み

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

コメント

コメントする

CAPTCHA


このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次