
【驚きの事実】副作用が出る方が、免疫チェックポイント阻害薬が効く!?


こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
今や様々ながんの治療に使われている免疫チェックポイント阻害薬(阻害剤)
これまで日本では9種類が承認されています(海外はもっと多い)。
<抗PD-1抗体>
・オプジーボ(ニボルマブ)
・キイトルーダ(ペンブロリズマブ)
・リブタヨ(セミプリマブ)
・テビムブラ(チスレリズマブ)
<抗PD-L1抗体>
・イミフィンジ(デュルバルマブ)
・テセントリク(アテゾリズマブ)
・バベンチオ(アベルマブ)
<抗CTLA-4抗体>
・ヤーボイ(イピリムマブ)
・イジュド(トレメリムマブ)
様々ながん種でゲームチェンジャーとなってきた免疫チェックポイント阻害薬(以下、ICIと略します)ですが、ICI特有の有害事象(以下、irAE)が報告されています。


免疫チェックポイント阻害薬は、有害事象(irAE)が起きた方が効果が高いと言われています。
要約: 非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした54の研究のメタアナリシスで、irAEsを経験した患者は、irAEsを経験しなかった患者と比較して、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)が有意に高いことが示されました。特に、2つ以上のirAEsを経験した患者、および甲状腺機能障害、消化器系、皮膚、または内分泌系のirAEsを経験した患者は、より良い生存利益を達成しました。この研究は、irAEsの発生がICI治療を受けたNSCLC患者の生存効果の強力な予測因子であることを示しています。
要約: このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、irAEsの発生とICIの有効性の関連を調査したコホート研究が多数含まれています。irAEsは免疫活性化の過程で発生するため、疲弊した免疫細胞が再活性化され、腫瘍細胞だけでなく正常組織も攻撃することを示唆しており、理論的にはirAEsの発生がICI治療への良好な反応を示す可能性があります。多くの研究がこの仮説を支持しており、非小細胞肺がん(NSCLC)やメラノーマの患者で様々なirAEsを発症した場合に良好な転帰を示しています。ただし、一部のirAEs(肺炎、甲状腺疾患、筋肉痛、粘膜毒性など)はOSと有意な相関を示さないという報告もあります。
など、これまで様々な報告があり、一応は、まだ一定の見解は得られていません。
有害事象が起こる方が予後が延長する理由として、先ほどの論文の文章を借りるとこのように考えられています。
irAEsは免疫活性化の過程で発生するため、疲弊した免疫細胞が再活性化され、腫瘍細胞だけでなく正常組織も攻撃することを示唆しており、理論的にはirAEsの発生がICI治療への良好な反応を示す可能性があります。
そんな中、日本も参加した臨床試験でこんな報告がありました。


胆道がんの化学療法で、免疫関連有害事象を経験した人では経験しなかった人より生存期間が長い傾向にあったというものです。
対象者が少なかったので、統計学的な確証にはいたっていないようですが、やはり何かしら関連がありそうな感じがします。
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