笑いでがん退治!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

先日、アメーバブログにアップした記事があります。

がんの怖さに慣れる方法!

その中で、がん × 笑いをテーマに本を書こうと思い、がんサバイバーの方のエピソードを元にストーリーを考えてみました。

目次

この状況でも笑顔を作るんだ

Aさんは、30代で血液のがんと診断されました。

はじめ、微熱とだるさがあり、首のリンパが腫れて痛いのと首が動かしにくいと言った症状があったため近所の内科を受診するも、「風邪かなぁ」と診断されホッとして帰宅。

ただ、1か月経ってもだるさが続き、首のリンパ節も以前より大きくなってきました。

この頃からネットで症状を検索するようになり、調べれば調べるほど「自分は間違いなくがんだ」と思うようになりました。

思い返せば、この頃は不安が強すぎて、仕事中に全く笑っていなかったように感じます。会社の飲み会に参加しても、だるかったのもありますが全然楽しくなくて、家に帰って、夜中まで症状や名医のいる病院などを検索している自分がいました。

やっと有休を取って大学病院を受診したところ、当日の検査で、やはり「血液のがんが疑われる」という診断となり、即入院に。

診断名にある程度覚悟はしていたものの、やはりショックが大きく頭が真っ白になりました。

そんな中でも、そのまま入院となってしまったため、上司や関係各所に事情を話すなどバタバタと仕事の調整をし、入院支度や仕事関係への連絡も落ち着いた夜、ひとりで病室のベッドで声を殺して泣いたんです。

「なんで俺なんだ、、、」

怒り、悲観、将来への不安、治療への恐怖など様々な感情が入り混じり、当時の自分がどんな顔をしていたかのは分かりません。

朝起きて鏡を見ると、泣きはらした酷い顔をした男が映っているじゃあありませんか。

「これが俺の顔か、、、これじゃあ顔認証されないな」

実はAさんはIT系の営業マンで、彼が営業している商品が ”笑顔認証のタイムカード” なんです。

Aさんの会社はタブレットで顔認証をすることで出退勤をチェックするアプリを開発したのですが、Aさんのアイデアで笑顔じゃないと認証しないというシステムとなりました。

笑顔認証のメリットは

①出勤時に笑顔になることで、前向きな気持ちになれる

②他のスタッフの認証された笑顔を見ることで、明るい気持ちになれる

③退勤時にも笑顔になることで、頑張った自分へのご褒美になる

④笑顔が点数化され、点数が低い場合にはAIから健康状態や精神状態の確認メールが届くなどのフォローができる

などがあります。

ある程度の覚悟はしていたものの、やっぱりがんと言われて笑顔になんてなれる訳ないよな、、、

Aさんは自社アプリで自らの笑顔の点数を付けてみたところ、なんと10点でした。

「10点か、、、こりゃあ出勤したことにならないな」

検査の最終結果が出て治療が開始されるまで1週間ほどあるとのことなので、Aさんは治療開始までに100点を取れるようになることを目標に定めました。

笑うことで免疫力がアップすると耳にしたことがあり、自分もその通りだと思っているので、抗がん剤治療に笑いで心の免疫力をアップさせよう。

その日はまだまだ気持ちが沈んでいましたから、鏡でどんなに笑顔を作ってみてもひきつった感じになり、最高で55点までにしかなりませんでした。

100点の笑顔の作り方

1週間で様々な方法を試し、笑顔認証をしてみました。

好きな漫画を読む→70点 ギャグ漫画を読む→84点 海外のお笑い動画を音声付きで見る→96点 好きなお笑い芸人の動画を見る→93点 苦手なお笑い芸人の動画を見る→82点

一番点数が高かったのは、大きな笑い声がたくさん入った海外の動画でした。

他人の笑い声を聞くと、自分も笑顔になれるのかもしれないな…どうでも良いような笑い声でも…

Aさんは自社のアプリに笑顔だけでなく笑い声も入れると、もっと良い製品になるかもしれないというアイデアが浮かんできました。

いよいよ治療が開始となり、抗がん剤の副作用で吐き気が強い時や倦怠感が強い時などもできるだけお笑いの動画を見て、笑顔を作るようにしました。一番きつい時はさすがに100点取れませんでしたが…

面会に来た家族の前でも努めて笑顔でいるようにしました。

バイタルチェックに来る看護師さんや回診のドクターにも、副作用で辛い時でも、頑張って笑顔を作り挨拶するようにしました。

もう一つAさんが行った対策は、苦手な人や嫌いな人のSNSをブロックしたことです。元気な時はまだ見てスルーできるけど、こんな状況では見たくもないし、ストレスになると思ったからです。

代わりに、仲の良い友人や気の合う仲間とは積極的にSNSで連絡を取るようにしました。さすがにお笑い動画だけでは飽きがくるので、これはかなり気分転換になりました。

Aさんは次第に現実を受け入れ、すごく前向きな気持ちになっていきました。

100点の笑顔で抗がん剤治療を乗り切ろう。そうすればきっとがんが治る。

笑顔の行方

抗がん剤治療が終わって、効果判定が行われました。

その結果は、、、

完全寛解(検査でがんが確認できなくなった状態)

抗がん剤がよく効いたのもありますが、Aさんは笑顔の効果だと信じています。

いったん退院して再発を予防するための抗がん剤治療が始まりますが、きっとそこも乗り越えて、絶対再発しないと思っています。

そうそう、Aさんが治療中も笑顔でいたことが病棟中で話題となり、病棟の看護師さんの何名かから「他の患者さんにも伝えたいので、笑顔でいるコツを教えてもらえませんか?」と尋ねられていました。

がんと闘っている他の患者さんも、笑いと笑顔でココロとカラダの免疫力をアップさせて、治癒目指して頑張って欲しい。それがAさんの願いです。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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