初回治療前に遺伝子パネル検査を!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

京都大学大学院腫瘍内科が書いたnoteより

『知っていたのに使えなかった』治療をなくす──京大病院 腫瘍内科が描くがんゲノム検査の実装戦略

遺伝子パネル検査を、現状の「すべての標準治療が終了した後(終了見込みを含む)」というタイミングではなく、「診断された時点」に行うことが理想的だというものです。

標準治療が終わった段階(終了見込みも含む)で遺伝子パネル検査を行っても、結果出るまでの1.5-2か月の間に患者さんの全身状態が悪くなって使えなくなるということが少なくありません。

また、もし適合する未承認薬が見つかったら、患者申出療養制度で使用できる可能性もありますが、イマイチ使い勝手の悪い制度なので難しい面もあります。

患者申出療養制度に関しては過去ブログを参照

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2024年には、遺伝子パネル検査を混合診療OKにする案が検討されているという話題がありました。

 ↓↓

【朗報】遺伝子パネル検査が受けやすくなるかも

こちらが実現すると、

初回診断時もしくは早い段階で自費で遺伝子パネル検査を受け、一次もしくは二次治療の段階で遺伝子パネル検査で適合した承認済み薬剤を保険で使うことができるようになります。

遺伝子パネル検査を初回治療前に行う有用性を検討する、UPFRONT試験やFIRST-Dx studyが日本で行われています。

結果についての詳細は、標準治療前のCGP検査実施の有用性と課題:2つの試験結果から考えるを参照に。

それぞれの臨床試験についてはいつかまとめますが、初回治療前に遺伝子パネル検査を行い、より早い段階で結果に基づいた治療を進めていくこと、(多く見つかる)適応外薬剤をいかに使えるようにするかがポイントだと考えられています。

一方、乳がんでは標準治療終了前に遺伝子パネル検査が行われることがあります。

遺伝子パネル検査を行うと言っても、網羅的に多くの遺伝子の解析を行うのではなく、2024年3月に承認されたAKT阻害薬トルカプが適応となる「PIK3CA遺伝子、AKT1遺伝子PTEN遺伝子」の3つの遺伝子を調べる目的で使用します。

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ファウンデーション1という遺伝子パネル検査用のキットで調べるのですが、上記の3遺伝子以外の結果が出ても知らされることはありません。

遺伝子パネル検査と同じことを行いながら、知らされるのは3遺伝子だけという、、、

何とかならないですかね、このシステム、、、

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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