
【諦めない病院】緩和ケアから抗がん剤治療へ!


こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
先日、こんな患者さん(Aさん)が来られました。
Aさんは、1年前にあるがんが見つかったものの標準治療を拒否し、統合医療クリニックで代替医療行い、がんに効くというサプリメントを内服されていました。
しかし徐々に状態が悪化し、検査をすると、肺、肝臓、骨に多発の転移が見つかりました。
また、骨転移による痛みが強すぎて日常生活もままならなくなっていました。
統合医療クリニックではお手上げ状態となり、がん専門病院を紹介してもらったものの、血液検査のデータが悪すぎて緩和ケアを勧められました。
そのデータを見せてもらいましたが、あまりにひどすぎてビックリ!
中には命にかかわるほどの異常値もあり、、、さすがの私でもビビッて、『この患者さんには何もしない方が良いかも』と思いました。
しかし、そのがんは抗がん剤がよく効くタイプなので、抗がん剤が効けば、これらの異常値は改善し、骨転移による痛みも良くなるかもしれないという思いもありました。
(この状態だと)抗がん剤治療で命を縮める可能性もあるが、上手くいけばすべての症状を改善できるかもしれない…
おそらく、99%の病院はこのデータを見たら緩和ケアを勧めるでしょう。
でも、一縷の望みをかけて、標準治療を行い延命して欲しいという思いがあったので、杏雲堂病院を紹介しました。
末期がんでも諦めない病院がいくつかあります。
関西の病院は詳しくないので関東中心ですが、
<緩和ケアと並行して化学療法等を行ってくれる病院>
後半は関西の病院が中心でしたね…
話を戻します。
杏雲堂病院へ紹介状を送った時点では、あまりのデータの悪さに『緩和ケアのみになると思います』という返事でした。
でも、Aさんは恐ろしく悪いデータと多発肝転移・肺転移の割に、骨転移による痛み以外は元気なんです。
こんな元気なのに、まだ一度も標準治療をせずに緩和ケアとなるのは、もったいないです。
杏雲堂病院を受診し、緩和ケア科の先生が診察してAさんにこう言ったそうです。
『黄疸がでたり車イス移動だったりともっと状態が悪いかと思っていましたが、元気そうでビックリしました。この状態なら抗がん剤を試してみても良いかもしれません。初めての抗がん剤だし結構効くと思います。ただし、普通の患者さんがするよりはリスクは高く、抗がん剤治療で命を落とす可能性もあります。もし、抗がん剤治療を選択されるのであれば、入院しながら量を減らしてやってみましょうか。』
Aさんは、抗がん剤治療を選択します。と即答したそうです。
99%治療を断られるくらいのデータなのに、数値ではなく人を見て、工夫して選択肢を与えてくれた、素晴らしい医師に感謝です。
諦めの悪い医師 × 諦めきれない患者 が奇跡を起こしてくれることを信じています。
コメント