膵臓がんの新しいゲノム医療(NRG1融合遺伝子)

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

NRG1融合遺伝子に異常が見られる膵臓がんで、新薬の治験が行われました

膵臓がんでこの奏効率はすごいです

膵臓がん治療のフローはこのようになっていますが、

3次治療のところにゼノクツズマブが加わるかもしれません

適応となるNRG1融合遺伝子の異常は、膵臓がん患者さん全体の1%弱でしか見られませんが、KAR変異がない(野生型)に限ると7割近く見られるという報告があります

詳細な作用機序は省きますが、二重抗体阻害薬ゼノクツズマブがHER2受容体+HER3受容体を阻害することで、NRG1融合遺伝子異常による腫瘍細胞の分裂を抑えます

アメリカでは昨年12月にFDAに承認されています

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冒頭で紹介した臨床試験は、第2相試験で日本も参加しているので、今後日本で第3相試験を行ってからの承認になると思います

パネル検査で、NRG1融合遺伝子異常が見つかれば、今後治験に入れる可能性があります

ちなみに、副作用は下痢、悪心、倦怠感などがあるようですが、いずれも軽度なもののようです

早く承認されて欲しいですね!

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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