【コルチゾール】ストレスホルモンが卵巣がんを悪化させる?!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

ASCO(米国臨床腫瘍学会)で驚きの発表がありました。

日本がん対策図鑑
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プラチナ抵抗性の卵巣がんで、抗糖質コルチコイド薬の併用で生存期間が延長したというものです。

卵巣がんの症状や治療についてはコチラを参照に

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糖質コルチコイドというのは、副腎から分泌されるホルモンで様々な役割を果たしています。

いわゆる”ステロイド薬”と同じ働きをするホルモンで、①血糖値上昇②抗炎症作用③胃酸分泌増などの作用があります。

*ステロイド薬:コートリル、プレドニン、デカドロン、リンデロンなど

糖質コルチコイドは早朝に分泌のピークが来て夜間に最低となります。

この糖質コルチコイドの分泌量が卵巣がんの悪性度に関わるという話題が10年ほど前から言われていました。

有名なこちらの論文では Diurnal cortisol and survival in epithelial ovarian cancer

夜間に低くなるはずのコルチゾール(糖質コルチコイド)が高いと、上皮性の卵巣がんの生存率が低いという驚くべき報告がされました。

この糖質コルチコイドの拮抗薬であるレラコリラントをアブラキサンと併用することで、アブラキサン単独よりも生存期間が延長したという臨床試験の結果がそれを証明しているのかもしれません。

糖質コルチコイドはストレスホルモンとも言われ、身体的・精神的ストレスで分泌が増えるので、卵巣がんの治療中はストレスを極力減らせるような工夫をしていく必要があるかもしれません。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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