
【コルチゾール】ストレスホルモンが卵巣がんを悪化させる?!


こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
ASCO(米国臨床腫瘍学会)で驚きの発表がありました。
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プラチナ抵抗性の卵巣がんで、抗糖質コルチコイド薬の併用で生存期間が延長したというものです。
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糖質コルチコイドというのは、副腎から分泌されるホルモンで様々な役割を果たしています。
いわゆる”ステロイド薬”と同じ働きをするホルモンで、①血糖値上昇、②抗炎症作用、③胃酸分泌増などの作用があります。
*ステロイド薬:コートリル、プレドニン、デカドロン、リンデロンなど
糖質コルチコイドは早朝に分泌のピークが来て夜間に最低となります。
この糖質コルチコイドの分泌量が卵巣がんの悪性度に関わるという話題が10年ほど前から言われていました。
有名なこちらの論文では Diurnal cortisol and survival in epithelial ovarian cancer


夜間に低くなるはずのコルチゾール(糖質コルチコイド)が高いと、上皮性の卵巣がんの生存率が低いという驚くべき報告がされました。
この糖質コルチコイドの拮抗薬であるレラコリラントをアブラキサンと併用することで、アブラキサン単独よりも生存期間が延長したという臨床試験の結果がそれを証明しているのかもしれません。
糖質コルチコイドはストレスホルモンとも言われ、身体的・精神的ストレスで分泌が増えるので、卵巣がんの治療中はストレスを極力減らせるような工夫をしていく必要があるかもしれません。
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