末梢神経障害

抗がん剤治療の副作用で、四肢(手足)で最も症状がみられます。具体的には、「しびれ」「ジンジンと痛む」「感覚が鈍い」などで、末端に行くほど強く表れます。

これらの異常な感覚は日常生活に支障をきたし、重症例では歩行困難や、衣服の着衣ができなくなることもあります。

「吐き気」「だるさ」「脱毛」などは多くの抗がん剤で起こりやすい副作用ですが、「末梢神経障害」は限られた抗がん剤でしか起きず、その抗がん剤を使用していない患者さんにとっては無縁の症状と言えます。

末梢神経障害は抗がん剤の使用総量と関係していて、抗がん剤の投与回数が増えれば増えるほど出現しやすく、症状が重くなっていきます。また、抗がん剤治療をやめても、症状は月単位や年単位でしか改善せず、最終的に後遺症として残ってしまうことも多いです。

末梢神経障害は見た目にはわかりにくいため、患者側から訴えない限り医師も対応してくれません。また、末梢神経障害の予防や治療には確立された方法がないため、いくつかの薬剤が経験的に投与されています。症状の改善がみられるケースがある一方で、まったく改善しないことも多いです。

当院では、幹細胞やその培養液による神経再生医療や、CBD(カンナビジオール)製剤で、末梢神経障害の治療を行っております。詳しくはお問合せください。

脂肪由来幹細胞による治療

脂肪由来幹細胞は、オキサリプラチン誘発性の神経障害を起こしたマウスで、痛みを軽減させた。

Adipose-derived stem cells decrease pain in a rat model of oxaliplatin-induced neuropathy: Role of VEGF-A modulation. Neuropharmacology,131:166-175.2018年

CBD(カンナビジオール)による治療

カンナビジオールは、神経系の機能や化学療法の効果を減弱することなく、5-HT(1A)受容体を介して、パクリタキセル誘発性の神経性疼痛を阻害する。

Cannabidiol inhibits paclitaxel-induced neuropathic pain through 5-HT(1A) receptors without diminishing nervous system function or chemotherapy efficacy. Br J Pharmacol. 171(3):636-45.2014年

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