【手足症候群】抗がん剤の副作用でシミができた?!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

抗がん剤治療を行っている間に、『シミが増えた!』という話を耳にします。

この患者さんもそうでした。

両方の足裏の前側を中心に黒いシミのようなものが見られます。

アップで見てみると、指にまであります。

下の方に映っている黒い点はホクロです。

これは抗がん剤の副作用でたまに見られる色素沈着です。

抗がん剤により表皮の基底層が障害されて、色素細胞(メラノサイト)が刺激されメラニン色素が増加したりターンオーバーが遅くなったりしてシミのような色素沈着が起こると考えられています。(諸説あり)

この患者さんの手のひらを見てみると、手首側が皮膚炎を起こしわずかに色素沈着しています。

これは、抗がん剤による 手足症候群(てあししょうこうぐん)という副作用です。

抗がん剤や分子標的薬によって起こる手足の皮膚障害を総称して手足症候群と言います。

殺細胞性の抗がん剤の場合は、摩擦や圧迫によって皮膚の毛細血管が破れて漏れ出した抗がん剤の成分が皮膚を傷害することで皮膚炎が起こります。

症状はゆっくり出現し、皮疹、乾燥、そう痒感、しびれ、知覚過敏、ほてり、痛みなどが起こります。


分子標的薬による手足症候群の場合は、症状は急に起こります。

分子標的薬開始後2-3週目に現れて、そこからしばらく急速に進行します。

強い圧力が加わる手のひらや足の裏、かかとなどの箇所の皮膚の角質に異常が起き、まず皮膚が赤くなります。

悪化すると、皮膚が角化し、亀裂や水ぶくれまで出きてきて、痛みも出現します。

ちなみに、分子標的薬のその他の皮膚障害として、ざ瘡様皮疹や爪周囲炎などがあります。

出方の違いはあれど、手足症候群という名称は一緒です。

この患者さんは殺細胞性の抗がん剤を使用しており、松葉杖歩行なので足には皮疹はできずに色素沈着だけで、松葉杖で圧迫される手のひらには皮疹ができていました。

手足症候群に対して保険診療では主に保湿剤+ステロイドが処方されますが、すごく効果があるわけではありません。

手足症候群にはCBDバームがよく効きます。

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濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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