【ビックリ】乳がん患者で抗がん剤治療への“耐性”を抑える新薬が!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

こんなニュースがありました

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進行した乳がんの治療では抗がん剤が使われますが、抗がん剤はいずれ耐性ができて効かなくなります。

乳がん細胞が抗がん剤に抵抗する原因の1つとして、上皮系がん細胞が間葉系がん細胞に変わる「上皮間葉転換」という機序が考えられています。

間葉系がん細胞と最も相関する因子を探索したところ、細胞の増殖や組織の修復に関わるペリオスチンというタンパクが見つかり、異常に増殖したペリオスチン(病的ペリオスチン) 、ががんの進行や治療抵抗性に関与することが報告されています。

この病的ペリオスチンが主にがん関連線維芽細胞から分泌され、抗がん剤によってさらに分泌が増加すること、がん細胞の転移や抗がん剤抵抗性を促すこと、病的ペリオスチンのみを抑制することよって安全に抗がん剤抵抗性を改善できることが分かっています。

これらの知見をもとに、大阪大学発ベンチャー企業であるペリオセラピア株式会社と先端分子治療学共同研究講座との共同研究で病的ペリオスチンを特異的に中和する抗体医薬「PT0101」を開発したとのこと。

今回、大阪大学医学部附属病院において HER2陰性乳がんを中心とした固形がんを対象に、PT0101の世界初の臨床試験(First in Human試験) が開始されます。

【臨床試験の概要】

・試験名:
 進行固形がん患者及びHER2陰性再発転移乳がん患者を対象とした抗ペリオスチン抗体
 PT0101の第I/Ⅱa相、多施設共同、非盲検医師主導治験

・対象者:
 標準治療の実施・継続が困難である進行固形がん(Phase1)
 HER2陰性転移・再発乳がん(Phase2a)

・治験薬:PT0101

・実施期間:2025年3月〜2028年5月(予定)

・予定症例数:Phase1 最大48例、Phase2a 32例

・治験責任医師:島津研三(大阪大学医学部附属病院 乳腺・内分泌外科)

トリプルネガティブ乳がんでも、資金を調達して臨床試験を始めそうです。

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抗がん剤の耐性を克服する薬剤の治験のほとんどが失敗に終わっているので、この治験がうまくいくことを願うばかりです!

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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