【非小細胞肺がん】免疫療法で副作用の軽減と長期安定が得られている症例

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

先日の記事で、免疫療法は効き始めると長期間効き続けることがあるというお話をしました。

詳しくはこちらのブログを参照に。

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免疫チェックポイント阻害薬も抗がん剤と同様に初めのうちは生存率が低下するのですが、ある時期から生存率が下がらなくなります。

こちらのサイトの図をお借りするとこんなイメージです。

膵臓がんの患者会で、5年以上キイトルーダで奏功が続いているという方もいました。

当院の6種複合免疫療法、免疫チェックポイント阻害薬のような長期安定が得られている症例があります。

小細胞肺がんの症例で、一次治療:PE(副作用で1クールのみ)+放射線、二次治療:イミフィンジ後に増悪し、三次治療で抗がん剤カルセドを開始しました。

三次治療でのカルセドの奏効率は14%で生存期間は6か月と言われています。

そんな標準治療だけでは期待ができない状況で、息子さんが当院を探し出し、6種複合免疫療法の併用を始めました。

開始後すぐに腫瘍マーカー(proGRP)が下がり始めて、その後の経過は下図の通りです。

治療のポイントをまとめると

・標準治療では生存期間が6か月の状況のはずなのに長期間生存できている

・カルセドの副作用がほぼ見られず3年以上投与できている

・免疫療法を始めてから、抗がん剤の副作用の白血球減少が見られなくなった

 (カルセド開始直後は白血球減少で6週間おきの投与になっていた)

・免疫細胞が長期記憶を獲得しがんを攻撃し続けていると判断し、投与間隔を伸ばした

私もビックリの症例です。

転移巣もこの3年間とちょっと、わずかな大小の変化はあるもののほぼ変わらず存在しており、消失していません。

腫瘍マーカーも多少上下はするものの、±10くらいでずっと安定しています。

免疫細胞の攻撃+抗がん剤 = がん細胞の増殖速度

という絶妙なバランスが成り立っているのだと思います。

しかも、はじめの頃に見られた副作用の白血球減少も3年間一度も見られていませんし、吐き気や食欲不振などの副作用も全く見られていません。

副作用が見られないことに関しては理由は不明です。

今回起こっていることを図にしてみると、こんな感じなんだと思います。

この患者さんは、初めの診断から5年目に入り、三次治療+免疫療法を始めてが3年ちょっとが経ちます。

この安定がいつまで続くのかは分かりませんが、あと数年この状態が続きそうな感じがします。

6種複合免疫療法は1クール6回で約220万円で、この方はすでに4クール目に入っていてかなりの額を使われていますので、いつまで続けられるかは分かりません。

当のご本人は80歳を超えて、パートナーやご兄弟も亡くなられて、また足腰も多少弱ってきたため、「もういつ死んでもいい」と来院されるたびに仰っています。

ただ、ご本人との思いとは裏腹に、ご家族は長く生きて欲しいと願っているという、、、今後どうなっていくのか、、

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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