【希望】進行がん、ステージ4でも治療を継続すれば5年生存率が上昇する!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

こんなニュースがありました

進行がん、診断早期を乗り切るとその後の生存率上昇 初の「サバイバー5年生存率」

サバイバー5年生存率という言葉を初めて耳にしたという人もいると思います

サバイバー5年生存率とは、診断日から経過期間ごとに、そこから5年間生存できる確率のことを言います。

初期治療などを経て生存できた患者のその後の傾向が把握できるのですが、今回初めて集計されました。

19種類のがんについて進行度を示すステージⅠ~Ⅳ期別にサバイバー5年生存率を集計したところ、面白いことが分かりました。

例えば胃がんは、ステージⅠは診断0年(1年未満)~5年後の生存率は80%前後であまり変らなかったのに対して、ステージⅣは診断から1年未満の場合は5年生存率が5.5%、1年経過すると12.3%、3年経過すると41.8%、5年経過で61.2%と大きく改善することが分かりました。

予後が悪いと言われている、ステージ4の胃がんの5年生存率は5.5%しかありません。

しかし、サバイバー5年生存率を見てみると

診断から1年経過した時点 12.3%

診断から2年経過した時点 25.9%

診断から5年経過した時点では、なんと 61.2%に!

頑張って早期の治療を乗り越えれば、5年生存率できる確率が上昇していく、つまり治る確率が高くなっていくということです。

グラフを見ていると、3年生存をすると言うのが一つの山場だと思います。

まずは3年生存できれば、それから5年生存できる確率は跳ね上がります。

大腸がんや肝がん、小細胞肺がん、食道がん、膵臓がんなどほとんどのがんで同じ傾向が見られたということです。

膵臓がんのⅣ期(ステージ4)に至っては、診断0年での5年生存率1.3%が、5年経過した時点では42.5%に上昇します。

記事では、『こうした傾向の背景には治療法の進歩があるとみられ、がんが進んだ段階で見つかっても適切な治療を受ければ予後に期待できることを示している』とありましたが、、、

早期の段階での治療が奏功し、生存期間中央値を超えられるような人は、元々のがんの顔つきが良かったか、抗がん剤との相性が良かったということだけだと思います。

一方で、乳がんの場合は、Ⅳ期の5年生存率は診断時(0年)で36.3%、診断後5年経過した時点で44.5%で、どの時期でも大きな差がありませんでした。

乳がんは、治療効果が高く長期生存しやすいためだと思います。

また、乳がんは全病期で横ばいなので、どの病期でも治療効果が高いことが分かります。

今回の結果を受けて、国立がん研究センターは

同じがん種・病期であっても年齢やその他の因子によって予後が異なるということに注意が必要ですが、がん種や病期によっては「診断後1年以上生存した場合の5年生存率」は、診断時よりも改善する傾向であることが、治療を受ける方々にとって少しでも明るいメッセージになることを期待しています

とまとめています。

ステージ4と言うと、『延命しかない』『5年生存率は〇%しなかい』など、ネガティブな発言をされがちですが、少しでも希望につながるといいな。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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