つらい抗がん剤治療は休んだ方が長く効く?

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

非常に興味深い臨床研究が発表されました

*画像をクリックするとリンク先に飛べます

その前に、、、

通常、ステージ4の左側(下行結腸・S状結腸・直腸)大腸がんで、KRAS野生型・BRAF野生型の場合には、標準的化学療法+抗EGFR薬(アービタックス・ベクティビックス)を投与します

*野生型=変異なし

この辺りを詳しく知りたい方は、銀座みやこクリニックのブログをお読みください

表題の件に戻ります

標準的化学療法であるFOLFIRIと抗EGFR薬ベクティビックスを投与する際に、

効かなくなるまで連続して投与(連続投与)

 VS

途中いったん中止しがんが増悪したら再開する(間欠投与)

という2つを比較したところ、後者の間欠投与の方が無増悪生存期間が長かったというのです

通常、抗がん剤を休止してしまったら、がんが増悪するのではないかと心配になりますよね

しかし、今回の結果では休薬した方ががんを抑え込む期間(無増悪生存期間)が長いという結果でした

休薬期間を設けたことで耐性化を先延ばしにできた(奏功する期間を延長できた)可能性がありますし、効いている間にいったん休止しても再開すれば再び効くということが分かります

また、ベクティビックスによる皮膚の副作用も、休薬を挟む間欠投与の方が少なかったので、体への負担も軽減できます

効かなくなるまでずっと抗がん剤を投与し続ける治療法が本当に正しいのか?

って思わされる結果でした

副作用も軽減されますし、生存期間が変わらなければこっちの方が良いのでは、、、と思います

ただ、他のがんの臨床試験では、間欠投与の方が奏功期間が短くなったりと言うこともあるので、必ずしも休止が良いという訳ではありませんが、抗がん剤の休止に関してあまり過敏にならなくても良いかなと思います

たまに、「白血球低下で、抗がん剤が2週連続スキップになっちゃた。その間に抗がん剤が効かなくなるかも、、、」という患者さんがいますが、その心配は無用です

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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