難病治療にへその緒が有効!?

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

こんなニュースがありました

へその緒で難病を治療へ
~国産で細胞医療実現、免疫療法への応用も~

間葉系幹細胞(MSC)は、

①さまざまな細胞に分化する

②炎症を起こしている部位や組織が傷ついた場所に集まり、炎症や過剰な免疫反応を抑える

③組織を修復する

などの働きを持っていて、骨髄、脂肪、臍帯、胎盤、歯髄などに存在しています

日本でも、実は(自家)骨髄由来の幹細胞は、すでに脊椎損傷に対して保険適応となっていて、幹細胞が傷ついた脊椎の修復を行います

自由診療では、再生医療法の下で、主に脂肪由来幹細胞を用いた治療が行われていて、慢性疼痛、アトピー性皮膚炎、糖尿病、動脈硬化症、変形性膝関節症、勃起不全(ED)、脱毛症など様々な疾患が対象となっています

記事によると、白血病や悪性リンパ腫などで造血幹細胞移植を行う際の、GVHD(移植片対宿主病)と呼ばれる合併症の治療に間葉系幹細胞が適している可能性があるとのことです

GVHDは、他人から移植された造血幹細胞に含まれるドナー由来のリンパ球が、患者の臓器を異物と認識して攻撃して起こります

間葉系幹細胞はそれに対し、制御性T細胞を活性化させたり、マクロファージを炎症性から抑制型にスイッチングさせたりして、過剰な免疫を抑えると考えられています

ただ、日本では自家(自分由来)の幹細胞しか認められておらず、造血幹細胞移植前に自家幹細胞を採取し投与まで持っていくのは状態的にも時間的にも厳しいです

そこで臍帯由来の幹細胞が注目されています

臍帯由来幹細胞のメリットとして

国産で賄える

②採取は出産直後のため、ドナーに痛みなどはない

③臍帯は0歳の組織でドナーの年齢にばらつきが出ない

などがあります

臍帯由来幹細胞で、現在すでに急性GVHD、COVID-19による急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、造血幹細胞移植後の特発性肺炎症候群などの臨床試験が進んでいるとのこと

上記の疾患では、炎症を抑えるためにステロイドが治療に用いられますが、ステロイドだと感染に弱くなるなどの合併症があります

しかし、間葉系幹細胞だと炎症を抑えることに特化し、しかも3週間ほどで消失してしまうため、安全性も高いです

他にも、ウイルスによる急性脳症、新生児や乳幼児の脳障害などにも期待されていてるようです

その他の難病にも応用が利きそうなので、近い将来(と言っても10年以上先ですが)様々な難病治療に臍帯由来の幹細胞が使われるようになるかもしれません

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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