
免疫チェックポイント阻害薬とは?【第4のがん治療】仕組みと副作用
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濱元誠栄院長こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
今回は、「免疫チェックポイント阻害薬」についての解説です。
がんのステージ3や4と診断され、「これからより良い治療方針を探していきたい」と考えている方に向けて、知識ゼロからでもわかりやすいように基礎から解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
そもそも免疫とは?がん細胞の「ずる賢い」手口

私たちの体には、風邪のウイルスや日々発生する異常な細胞を見つけて退治してくれる「免疫細胞」がいます。
いわば、体内の頼もしい警備員のような存在です。
しかし、がん細胞は非常にずる賢く、「私は敵じゃありませんよ」という偽の身分証を提示して、免疫細胞の攻撃から逃れるテクニックを持っています。
この偽の身分証によって、免疫の攻撃スイッチに「ブレーキ」がかけられてしまうのです。
第4のがん治療「免疫チェックポイント阻害薬」の仕組み

そこで登場するのが、今回ご紹介する「免疫チェックポイント阻害薬」です。
このお薬は、がん細胞が出す「偽の身分証(攻撃をやめるためのスイッチ)」の働きをブロックしてくれます。ブレーキが解除されることで、免疫細胞が「こいつは敵だ!」と気づき、がんへの攻撃を再開できるという仕組みです。
つまり、抗がん剤や放射線治療のように「外から薬や放射線でがんを直接叩く」のではなく、「患者さん自身の免疫がしっかり働くようにする」という画期的なお薬なのです。
そのため、手術・抗がん剤・放射線治療に次ぐ「第4の治療法」と呼ばれています。
対象となるがんの種類と広がる適応

現在、このお薬は幅広いがん種で「標準治療」として使われています。
2014年の悪性黒色腫(メラノーマ)での承認を皮切りに、肺がん、腎臓がん、悪性リンパ腫、頭頸部がん、胃がんなどに適用が拡大しました。
現在では一部の大腸がん、乳がん、肝臓がんなどにも使われており、特定の遺伝子異常(MSI-High)がある場合はがんの種類を問わず適用となります。
また、当初は転移のある「ステージ4」のみが対象でしたが、近年では「ステージ3」での手術前後の補助療法としても使われるなど、活躍の場がどんどん広がっています。
なぜ画期的?長期間効果が続く「テイル・プラトー」現象

免疫チェックポイント阻害薬の最大の特徴は、長期間にわたり効果が持続するケースがあることです。
また、抗がん剤特有の脱毛や強い吐き気といった副作用も比較的起こりにくいとされています。
一部の劇的に効いた患者さんでは、3年、5年と時間が経過して薬の投与をやめた後でも、治癒に近い状態が長く続くことがあります。
生存率のグラフを見ると、時間が経ってもグラフが下がらず右端が横ばいになることから、これを「テイル・プラトー(しっぽが平らになる現象)」と呼びます。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか? それは、一度活性化された免疫細胞が「がんの顔つき」を記憶し、薬をやめた後もご自身の免疫システムが継続してがん細胞を監視・攻撃し続けてくれるからです。
これこそが、従来の抗がん剤とは決定的に異なる素晴らしい点です。
知っておくべき注意点と「免疫関連有害事象(irAE)」

非常に希望の持てるお薬ですが、注意点もしっかり理解しておく必要があります。
- 全員に効くわけではない 残念ながら、すべての患者さんに十分な効果が得られるわけではありません。
- 効果が出るまでに時間がかかる 免疫細胞が活性化してがんを攻撃し始めるまでに一定の期間が必要なため、効果の判定に時間がかかります。治療直後にがんの勢いが一時的に増すこともあります。
- 独特の副作用(免疫関連有害事象) 免疫のブレーキが外れることで、がん細胞だけでなく「自分自身の正常な臓器」まで攻撃してしまうことがあります。甲状腺、副腎、皮膚(発疹)、腸(下痢)、肺(間質性肺炎)など、全身のあらゆる臓器で副作用が起こる可能性があります。
安全に治療を受けるために大切なこと
副作用は怖いと感じるかもしれませんが、早期発見・早期対応ができれば、重症化せずにコントロールできることがほとんどです。
少しでも体調に変化を感じたら、我慢せずにすぐ主治医や医療スタッフに相談することが何よりも重要です。
また、自由診療のクリニックのなかには適用外の使用をしているところもあるため、がんの種類やステージ、バイオマーカー検査の結果に基づいて、慎重に適用を判断してくれる医師のもとで治療を受けましょう。













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