CBDとがん治療

がんに対するCBDの作用は現在、世界中で研究されています。

CBD自体の研究が始まってからまだ日が浅く、ヒト臨床試験まで進んでいないがん種が多いですが、ここ数年で細胞レベルや動物実験では抗腫瘍効果を示す論文が多数発表されています。 あと5年もすればヒト臨床試験の論文が多くみられるようになると予想します。

CBDの抗腫瘍効果についてまとめた2020年の最新の論文*1(有望な抗腫瘍薬としてのカンナビジオール(CBD))によると、下記のがん種に対する効果が認められています。

  • CBDの抗腫瘍活性はROS(活性酸素種)、ER(小胞体)ストレス、および免疫調整と関係している
  • ハイグレードなグリオブラストーマ(神経膠芽腫)に対して、標準治療にCBDを併用することで再発の抑制や生存期間の延長が見られた(ヒトでの症例報告)
  • 乳がん細胞に対して、CBDによる抗腫瘍効果と腫瘍細胞の転移抑制が見られた。またCBDを併用することで、乳がんに細胞のシスプラチンに対する感受性の増強が見られた(ヒトでの研究なし)
  • 肺がん細胞に対して、CBDによる腫瘍細胞の浸潤抑制が見られた。また、1例報告だが、ヒトでCBD単独で肺がんの抗腫瘍効果が見られた。
  • 大腸がん細胞に対して、CBDによる抗腫瘍効果とFOLFOXの耐性を減ずる効果が見られた。(ヒトでの研究なし)
  • 白血病細胞に対して、CBDによる殺細胞性効果が見られた。また、化学療法に対する耐性を減ずる効果が見られた。(ヒトでの研究なし)
  • 前立腺がん細胞に対して、増殖抑制効果とアポトーシスの誘導が見られた。(ヒトでの研究なし)
  • 子宮頚がん細胞に対して、CBDによる殺細胞効果が見られた。(ヒトでの研究なし)
  • 肝がん細胞に対して、CBDによる細胞生存率が見られた。(ヒトでの研究なし)
  • 甲状腺がん細胞に対して、CBDによる増殖抑制効果とアポトーシスの活性化が見られた。マウスでも抗腫瘍効果が見られた。(ヒトでの研究なし)
  • 胃がん細胞に対して、CBDによる増殖抑制効果が見られた。マウスでも抗腫瘍効果が見られた。(ヒトでの研究なし)
  • 膵臓がん細胞に対してCBDによる増殖抑制効果が見られた。マウスではゲムシタビン(GEM)との併用で生存率が向上した。(ヒトでの研究なし)

CBDの抗腫瘍効果が認められたがん種

細胞株動物実験ヒト臨床試験
神経膠芽腫症例報告のみ
肺がん症例報告のみ
卵巣がん症例報告のみ
乳がんシスプラチンの効果増強
子宮がん抗がん剤の副作用軽減
大腸がん
白血病
前立腺がん
子宮頸がん
肝がん
甲状腺がん
胃がん
膵臓がん
頭頸部がん
肉腫
尿路上皮がん

*1 Emily S. ; Andrea K.; Danny M.: Cannabidiol (CBD) as a Promising Anti-Cancer Drug. Cancers 2020,12(11),3230

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