食道がんの4つの原因と初期症状とは?最も発見しやすいのは胃カメラ検査!

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濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

今回のテーマは「食道のやけどが食道がんの原因?〇℃以上の飲み物は危険!」です。

「食道がんの原因」「初期症状と診断方法」などについてお話していきます。

目次

男性に多い食道がん

食道がんという言葉は、テレビなどで何度も耳にしたことがあると思います。というのも、有名人で食道がんになった人が多いからです。

食道がんになった有名人は、俳優の岡田真澄さん、藤田まことさん、漫画家の赤塚不二夫さん、歌手の桑田佳祐さん、野口五郎さん、指揮者の小澤征爾さん、作家のなかにし礼さん、タレントのやしきたかじんさんなど、ほとんどが男性です。

女性でも女優の淡路恵子さんや秋野暢子さんが食道がんを公表されていますが、少ないです。実際食道がんになるのは男性の方が5倍多くなっています。

その理由としては、先の有名人もそうですが、男性の方が食道がんのリスクを高める生活をしているからだと考えられています。

食道がんの主な原因

まず食道という臓器についてお話します。食道は喉と胃をつなぐ、長さが25㎝ぐらい、太さが2、3㎝の筒状の臓器で、胸の中を通っています。

食道自体に消化や吸収と言った働きはなく、口から入った食べ物を胃まで運ぶ役割をしています。胃とのつなぎ目のところでは、括約筋という筋肉が収縮し、胃酸や胃の内容物が逆流してこないようにする働きもあります。

食道がんの原因は食道粘膜のやけどから起きる炎症だと考えられています。食道をやけどさせて食道がんのリスクを上げるものにアルコール、熱い飲み物、辛い食べ物があります。

アルコールは食道粘膜を化学的にやけどさせ、炎症を起こします。

特にアルコール度数の高いお酒でやけどが強くなりリスクが高まります。ウイスキーやウォッカなどの度数の高いお酒をストレートで飲むと、喉から胸の奥にかけてチリチリと焼けるような感じがすると思います。それこそが粘膜にやけどが起こっている証拠です。

熱い飲み物でも同じようなことが起こります。

中国、イラン、南米などでは、お茶やマテ茶を70℃以上の熱いままま飲む習慣があります。これらの地域では食道がんが多く、特にイランでは宗教上アルコールが禁止されているため、熱い飲み物との関連が最も考えられています。

また、激辛で有名な中国の四川地方や韓国で食道がんが多く、辛い食べ物との関係が考えられています。

タバコも食道がんの原因になります。

タバコの煙は肺に入るのに、なぜ食道がんに?と思うかもしれません。タバコを吸うと有害物質が口の中に溜まります。有害物質を多く含んだ唾液を飲み込むことで食道粘膜が有害物質にさらされ、食道がんになりやすいと考えられています。

また、すぐに顔が赤くなる人は食道がんになりやすいというデータもあります。

お酒で顔が赤くなる人はアルコールが分解されてできる有害物質アセトアルデヒドを代謝する酵素を生まれつき持っていません。本来はお酒に弱いのですが、鍛えると強くなり大量に飲めるようになります。

代謝酵素を持っていない人でアルコールを大量に飲む人は食道がんのリスクが高くなります。日本人の約半数がこれに該当します。

一方、アセトアルデヒド代謝酵素が活発で、全く顔が赤くならず酔っぱらいもしない、元々お酒に強い体質の人は大量に飲んでも食道がんになりにくいとされています。

これらは日本人に多い扁平上皮がんというタイプの食道がんの要因ですが、最近は逆流性食道炎が原因の腺がんも増えてきています。

逆流性食道炎は強い酸性の胃液が食道に逆流して食道粘膜をやけどさせます。その状態が長期間続くと食道がんになりやすくなります。

胃酸が逆流しやすい人は、食べ過ぎや肥満などで胃の圧が高い人、食べてすぐ眠る人、脂っこい食べ物が多い人、タバコを吸う人などです。脂肪分やタバコは逆流を防止する括約筋を緩めてしまいます。

日本人では逆流性食道炎による食道腺がんは10%ほどですが、海外では約半数がこのタイプの食道がんです。

食道がんの原因についてまとめます。

アルコール 胆のうがん患者の半数以上で見られます

熱い飲み物 70℃以上でリスクが高いとされています

辛い食べ物

逆流性食道炎 最近増えています

食道がんの初期症状や検査について

早期の食道がんでは自覚症状はほとんどありません。中には熱いものや酸っぱいものが喉にしみる、飲み込む時に違和感があるという訴えが早くから見られる人もいます。食道がんの箇所に刺激が加わり、そのような症状が出るようです。

また、進行してくると大きくなったがんのために食道の中が狭くなるので、飲み食べした後に胸の違和感やつかえる感じが見られます。体重減少や胸や背中の痛み、咳、声がかすれるといった症状が見られることもあります。

食道がんを調べる方法にバリウム検査胃カメラ(胃内視鏡検査)があります。

バリウム検査ではバリウムが食道をさっと流れていってしまうため、病変が大きい場合には見つけやすいのですが小さく平坦な病変を見つけるのは難しいです。

胃カメラでは平べったい食道がんでもかなり早期で粘膜の色の違いで見つけることができます。

以前はヨード液をふりかけて色の違いをはっきりさせていましたが、最近ではがんの部分の色が変わる特殊な光を当ててより正確に見つけることが可能となっています。

また胃カメラだと怪しい箇所はそのままつまんで組織検査もできるので、食道がんに対しては胃カメラが一番です。

それともう一つ、数年前に口の中の様子で食道がんを予測する方法を大阪国際がんセンターが発見しました。

口の中の粘膜は喉、食道と連続していて表面は同じ細胞からできています。食道がんになる人は、口の中の粘膜も異常が起きていることが多く、口の中の粘膜の状態から食道がんを診断しようというのです。

まだ開発途中ですが、将来的には胃カメラをする前に、食道がんの予測ができるようになるかもしれません。

食道がんについてまとめます。

早い段階で見られる症状

熱いものや酸っぱいものが喉にしみる

飲み込む時に違和感がある

進行してから見られる症状

飲み食べした後に胸の違和感やつかえる感じがする

体重減少

胸や背中の痛み



声がかすれる

飲み食べした後に出る症状であれば消化器内科を受診し診断が付きやすいと思います。しかし、声のかれや、咳、背中が痛いなどの症状であれば、耳鼻科や整形外科を受診することがあるかもしれません。

そこで特に原因が見つからなかったという場合は消化器科を受診して検査を受けるようにしてください。食道がんによる症状の可能性もあります。

食道がんを早期発見するために、食道がんの原因や症状を知り、違和感を覚えたら早めに消化器内科を受診することが重要です。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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