
【ジゴキシン】強心剤が「がん転移の根源」となる細胞を封じる新機構を発見


こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
こんなニュースがありました
がん細胞に異常発現する「α3型ナトリウムポンプ」が、元のがん組織(原発巣)では細胞内小胞に局在している一方、原発巣から脱離して血中に移動した「血中循環がん細胞(CCC)」では細胞膜(細胞表面)に移動し、CCCの生存に重要な役割を果たしていることを発見しました。また、強心剤として心不全治療に利用されている「ジゴキシン」は、α3型ナトリウムポンプの細胞膜への移動を阻止することで、CCCの細胞死を引き起こし、別の臓器への転移が抑制できることを動物実験で実証した。


強心剤ジゴキシンが、原発(胃)を離れて転移しようとしているがん細胞を死滅させるというメカニズムのようです。
ナトリウムポンプは、細胞内でナトリウム・カリウムを調整し生命維持のために重要な役割を果たしています。
がん細胞ではそれが細胞表面に移るようで、がん細胞が転移する際に変形したりするのですが、その変形で役立つのかもしれません。
これは今後解明されていくと思います。
さて、ジゴキシンは発売から50年以上経つ古い薬で、最近の高額治療薬と比べてめちゃくちゃ安いです。
そんな薬剤で転移を抑制できるのであれば、こんなに良いことはありません。
実は、記事にあったα3型ナトリウムポンプの研究は、以前から行われていて、過去にアメーバブログでも書きました。
こちらの記事にあるのも強心剤ジゴキシンです。
ジゴキシンの薬価は10円/錠くらいでメーカーも儲からないので、ヒトでの研究はなかなか進まないと思います。
古くて長年の安全性も分かっている薬剤で、がんを抑えることができれば、こんなに良いことはありません。
でも、手を挙げるメーカーがあるか、、、
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