肥満の人はがん免疫療法が効きやすい!?

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

銀座みやこクリニックのアメーバブログにこんな質問コメントがきました

肥満の方が免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい?!

って、驚いた人が多いかもしれません

肥満はがんの発症リスクとなりますし、大腸がん、肝臓がん、子宮がん、乳がんなどは、肥満が発症リスクを高めることが分かっています

肥満度(BMI)とがん全体の発生率との関係について

そんながんに悪そうな肥満の人の方が、免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい可能性があるという研究がいくつか見られます

今回のコメントにあった論文もそうです

 ↓↓

https://jitc.bmj.com/content/13/1/e009734

発がんと関連のある肥満なのに、免疫療法だと効果が高いという、一見矛盾するようなこの現象は

肥満パラドックス

と呼ばれます

また、肥満の人の細胞は、免疫細胞の老化が進んでいることが分かっているのに、なぜ免疫チェックポイント阻害薬が効くのか?

ヒントはこちらのブログにありました

老いとPD-L1の関係:新たな抗加齢療法への展開

老化した細胞の表面に、PD-L1が発現し免疫細胞から逃れている

 ↓ 

免疫チェックポイント阻害薬を投与すると、免疫反応が強化され、老化細胞が除去される

 ↓ 

老化やそれに伴う疾患、生活習慣病を改善できる

というのです

それと同じようなことが起こってるのかもしれません(まだ完全に解明されてはいない)

つまり、

肥満の人のがん細胞はPD-L1が過剰発現しているから免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい可能性があります

PD-L1について過去ブログを参照に

あわせて読みたい
免疫チェックポイント阻害薬はどんな患者さんに効くのか? こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。 いまやがん治療の重要なポジションを占めている、免疫チェックポイント阻害薬 日本で承認されているのは以下の8種類...

肥満はがんの発症に関連するが、免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい

って、良いのか悪いのか、、、

一応、日本人の肺がんでの研究では、肥満患者の方が免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が効きにくいという結果も出ているので、日本人では当てはまらないかもしれません

肺がん患者、肥満でICIの効果が減少する可能性

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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