
肥満の人はがん免疫療法が効きやすい!?


こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
銀座みやこクリニックのアメーバブログにこんな質問コメントがきました


肥満の方が免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい?!
って、驚いた人が多いかもしれません
肥満はがんの発症リスクとなりますし、大腸がん、肝臓がん、子宮がん、乳がんなどは、肥満が発症リスクを高めることが分かっています


そんながんに悪そうな肥満の人の方が、免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい可能性があるという研究がいくつか見られます
発がんと関連のある肥満なのに、免疫療法だと効果が高いという、一見矛盾するようなこの現象は
肥満パラドックス
と呼ばれます
また、肥満の人の細胞は、免疫細胞の老化が進んでいることが分かっているのに、なぜ免疫チェックポイント阻害薬が効くのか?
ヒントはこちらのブログにありました
老化した細胞の表面に、PD-L1が発現し免疫細胞から逃れている
↓
免疫チェックポイント阻害薬を投与すると、免疫反応が強化され、老化細胞が除去される
↓
老化やそれに伴う疾患、生活習慣病を改善できる
というのです
それと同じようなことが起こってるのかもしれません(まだ完全に解明されてはいない)
つまり、
肥満の人のがん細胞はPD-L1が過剰発現しているから免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい可能性があります
PD-L1について過去ブログを参照に
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肥満はがんの発症に関連するが、免疫チェックポイント阻害薬が効きやすい
って、良いのか悪いのか、、、
一応、日本人の肺がんでの研究では、肥満患者の方が免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が効きにくいという結果も出ているので、日本人では当てはまらないかもしれません
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