小細胞肺がんにアバスチンはNG

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

約20年前の2004年に、大腸がんで初めて承認された分子標的薬アバスチン(ベバシズマブ)。

20年を経て、現在では大腸がん以外でも、非小細胞肺がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、肝細胞がんなどでも承認されています。

アバスチンは血管新生阻害薬といって、がんに栄養を運ぶ血管を抑えることで効果を発揮します。また、血管の壁を整えることで血管からの水分漏出も抑え、胸水や腹水などにも効果があります。

中外製薬HPより

そんなアバスチンが、進行の速い小細胞肺がんの血管新生を抑制できないか?ということで、小細胞肺がんに対する臨床試験が行われていました。

その臨床試験の経過が先日発表されました。

アバスチンを使用することで、生存期間が短縮してしまう可能性が高いという結論で、臨床試験が途中で中止となりました、、、

日本がん対策図鑑
【小細胞肺がん:一次治療(PFS)】「アバスチン+テセントリク+化学療法」vs「テセントリク+化学療法」 ... 進展型小細胞肺がんと診断された人が初めての治療を考える場合、「テセントリク+エトポシド+プラチナ製剤」治療に「アバスチン」の上乗せを選択することで、無増悪生存期...

はじめのうちは、無増悪生存期間を延長させると期待されていましたが、経過を見ていると見てみると生存期間が短縮してしまうということで中止となりました。

第3相試験まで行って、最終的にうまくいかないこともあります。

新薬開発はやはり難しいですね。

肺がんについて知りたい方は過去ブログを読んでみてください。

肺がん治療に関するあらゆることを網羅しています。

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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