コロナワクチンでがん患者の生存期間が延びる!!

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

ESMO(欧州臨床腫瘍学会)で、こんな発表がありました。

ESMO 2025: mRNA-based COVID vaccines generate improved responses to immunotherapy

タイトルを日本語訳すると、「mRNAに基づいた新型コロナウイルスワクチンは免疫療法への感受性を改善する」という感じでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の流行で、これまでになかったmRNAワクチンという技術が生まれました。

ただ、mRNAの技術に関して賛否両論あり、特殊なワクチン後遺症を生み出す原因になった可能性はあります。

これは、mRNAワクチンによって免疫の暴走が起こった結果ではないかと個人的には考えています。

今回の発表でも、”mRNAワクチンは警報のように機能し、体の免疫システムが警戒状態になることで、免疫細胞ががん細胞を攻撃するようになる”と言っています。

mRNAワクチンに反応してがん細胞が免疫チェックポイントタンパク質PD-L1の産生を行い、免疫細胞に対する防御機構として機能するようです。

なので、免疫チェックポイント阻害薬(特にPD-L1阻害薬であるオプジーボやキイトルーダなど)がより効くようになるとのこと。

先の研究では、免疫療法治療開始から100日以内にmRNAワクチンを接種した患者を評価しました。

①進行非小細胞肺がん患者の生存期間中央値

ワクチン接種群 37.3ヶ月

ワクチン非接種群 20.6ヶ月

ワクチン接種群 3年生存率 55.8%

ワクチン非接種群 3年生存率 30.6%

②転移性黒色腫患者の生存期間中央値

ワクチン接種群 36か月以上(未到達)

ワクチン非接種群 26.7ヶ月

ワクチン接種群 3年生存率 67.5%

ワクチン非接種群 3年生存率 44.1%

ワクチンだけで、こんなに変わるのか、、、と驚きです。

さらに驚くことに、これらの生存率の改善は免疫学的に「Cold」な腫瘍を持つ患者、つまり免疫療法への反応が期待できない患者において最も顕著であったようです。

腫瘍細胞におけるPD-L1発現が非常に低い患者だけでみると、コロナワクチン接種により3年間の全生存率が約5倍に改善したという、、、

免疫チェックポイント阻害薬を使用している人は、新型コロナウイルスワクチンをぜひとも接種して欲しいです!

*反ワクチンの方々からの異論は受け付けません!

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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