膵臓がん長期生存のリアル。ステージ4から5年以上生きる治療とは ~第57回日本膵臓学会より~

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

先日、第57回日本膵臓学会に参加してきました。

膵臓がんだけでなく、自己免疫性膵炎や慢性膵炎、IPMN、膵神経内分泌腫瘍など、様々な膵臓に関連する病気の学会です。

とはいっても、膵臓がんの発表が半分以上を占めていて

・膵臓がんの早期発見

・切除境界型膵臓がんの治療

・ステージ4膵臓がんの治療

・最新の薬物療法

・ゲノム治療

・コンバージョン手術

など、全国の病院が、各施設の症例を中心に発表します。

ネットやブログで絶対に得られない、現場のリアルな声が聴けるのが、ありがたいです。

そんなリアルでは、ネットでは全然見かけることのない、「長期生存例」についての発表があります。

確かに膵臓がんは治療が難しい病気です。

だからこそ、どうすれば根治に近づけるか、長期生存例はどのような治療をしていたのかという議論が活発に行われます。

今回、発表された長期生存例の一部をAIで画像にしてみました。

肝転移・腹膜播種を伴う膵癌に対しConversion surgeryと肺転移切除で長期生存した1例

FOLFIRINOXを開始したものの食思不振が強く、GnP(ゲムシタビン+アブラキサン)に変更。しびれのため、ゲムシタビン単剤で継続し完全奏効となったためコンバージョン手術。

その後肺転移→切除、術後TS-1を半年などを経て手術後9年以上生存している。

ペムブロリズマブにより長期生存が得られたMSI-high切除不能膵癌の一例

GnP療法がすぐに効かなくなり、FOLFIRINOXに変更し15か月奏功していた。二次治療中に行っていた遺伝子パネル検査(CGP)で、MSI-HighかつTMB-Highが見つかり、三次治療でペンブロリズマブ(キイトルーダ)を投与したところ、無増悪状態が5年続いている。

ゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法により病理学的完全奏効を得た膵癌の1例

こちらは、長期生存というよりはGnP療法がめちゃくちゃ効いて、手術を行ったところがん遺残がなかった(完全奏効)という症例です。

CA19-9が>1000と高値だったこともあり、腹膜播種等も疑われたけど、抗がん剤治療がよく効いたのでそれも消失した可能性があるということです。

膵癌腹膜転移へのPTX腹腔内投与と全身化学療法,放射線治療による長期無再発生存の1例

FOLFIRINOX+腹腔内パクリタキセル+原発巣の放射線治療(SBRT)で、コンバージョン手術なしで無再発期間が5年以上続いているという症例です。

コンバージョン手術なしでも5年というのが驚きで、原発に対して放射線治療を行ったことも良かったのかもしれません。

これはほんの一部の症例で、他にも肺転移(オリゴ転移)を3回切除しつつも10年以上生存している症例もありました。

こういった症例は、本人がブログでも書かない限り一般の人が目にすることはありません。

私が学会で得たリアルな情報を、皆さんに共有できればと思います。

長期生存患者の個々のポインみたいなものも学びましたが、なかなかブログでは伝えきれないので、セカンドオピニオンを利用してもらえると助かります。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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