【イボネスシマブ】1つの薬で2つの効果の抗がん剤!日本での承認時期と治療選択

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濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

今回は、世界のがん治療の現場で今一番話題になっている新しいお薬「イボネスシマブ(イボネシマブ)」についてお話しします。

「イボネスシマブ」……少し聞き慣れない名前かもしれません。しかし、これからのがん治療を語る上で、絶対に外せない名前になっていく新薬です。

「もし自分や家族ががんになったら使えるの?」「どれくらい効くの?」「いつから使えるようになるの?」といった疑問に、できるだけ分かりやすくお答えしていきます。

目次

これまでのがん治療の「4本柱」のおさらい

新しい薬のお話をする前に、現在のがん治療の基本を振り返ってみましょう。がんを治す方法は、長らく以下の3種類が「3本柱」と呼ばれてきました。

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  1. 手術:がんの塊をメスで取り除く
  2. 放射線治療:放射線を当ててがん細胞をピンポイントで叩く
  3. 抗がん剤:点滴や飲み薬でがん細胞を弱らせる

そして、ここ10年ほどで新たに大きな柱として加わったのが「免疫療法」です。

中でも有名なのが「キイトルーダ」というお薬で、名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。

このキイトルーダの登場によって、肺がんをはじめ、治療が難しかったがんの成績が大きく改善しました。

今回ご紹介する「イボネスシマブ」は、そのキイトルーダを超える可能性が出てきた、全く新しいタイプの薬なのです。

イボネスシマブは何がすごい?1つの薬で「二刀流」の働き

一言で言うと、イボネスシマブは「1つの薬で2つの仕事を同時にやってくれる」画期的な薬です。

がんを「お城に立てこもった敵」に例えてみましょう。この敵を倒すには、2つの作戦が必要です。

作戦その1:免疫のブレーキを外す

実はがんはずる賢く、私たちの免疫(味方の兵士)に「戦うな」という命令を出して動けなくしてしまいます。

この命令を解除し、「さあ戦っていいぞ」とブレーキを外してあげるのが、これまでのキイトルーダの仕事でした。

作戦その2:がんへの食糧補給路を断つ

がんは大きくなるために、自分専用の血管をどんどん作って栄養を吸い上げます。

この血管を作らせず、いわば「兵糧攻め」にする薬(アバスチンなど)もこれまで存在しました。

これまでは、この2つの作戦を実行しようと思ったら別々の薬を2種類使う必要がありました。

ところが、イボネスシマブは1本で「免疫のブレーキを外しながら、同時にがんの食糧補給も断つ」という、まさに1人で二刀流の働きをしてくれるのです。

衝撃のデータ!”王者”キイトルーダとの直接対決

一番気になるのは「実際にどれくらい効くのか?」という点ですよね。

今一番データが揃っている肺がん(非小細胞肺がん)において、中国で行われたキイトルーダとの直接対決で衝撃的な結果が出ました。

約400人の進行した肺がんの患者さんを2つのグループに分けたところ、結果は以下の通りでした。

  • キイトルーダのグループ:がんが進行しないでいられた期間(平均) 約5.8ヶ月
  • イボネスシマブのグループ:がんが進行しないでいられた期間(平均) 約11.1ヶ月

なんと、がんが進行しない期間がほぼ2倍になったのです。

この「期間が2倍になる」というのは、患者さんにとって非常に大きな意味を持ちます。

その間に体力を回復させる時間ができ、家族と過ごす時間が増え、次の治療を考える余裕が生まれます

つまり、生活の質や人生の質が全く変わってくるということです。

この比較試験で対象になったのは、進行・転移のある肺がんで、まだ抗がん剤治療を受けていない方々でした。

「PD-L1」という検査でわかる目印が出ている方には特に効きやすいことがわかっていますが、イボネスシマブのすごいところは、この目印が少なめの方にも多めの方にも効果があったという点です。

イボネスシマブは肺がん以外にも効く?

「じゃあ肺がん専用の薬なんだね」と思った方、実はそれだけではありません。

イボネスシマブが狙っている「免疫のブレーキ解除」と「兵糧攻め」は、肺がんに限らずほとんどのがんに共通する弱点です。

そのため、理屈の上では色々な種類のがんに効く可能性があります。

現在、小細胞肺がん、大腸がん、肝臓がん、胃がん、乳がん、胆道がん、膵臓がん、腎臓がんなどの泌尿器系のがん、さらに希少がんを含む多くの固形がんに対して、世界中で臨床試験が進められています。

これから数年で、がん治療の現場がガラッと変わっていく可能性を秘めています。

日本ではいつから使える?現実的な治療の選択肢

ここからは、日本にお住まいの方にとって一番大事な現実的なお話をします。

2026年5月時点では、イボネスシマブは日本で正式に承認されていません。

つまり、健康保険を使った通常の治療ではまだ使えません。

アメリカや日本でも現在臨床試験が進行中ですが、誰でも保険で使えるようになるにはもう少し時間がかかる見込みです。

では、今治療を検討されている方はどうすれば良いのでしょうか。選択肢は大きく2つあります。

承認を待つ

日本での承認を待ち、保険でしっかり受けられるようになってから使う方法です。

これが一番安心で、費用の負担も少ない選択肢です。

自由診療で海外から薬を取り寄せて使う

日本で未承認の薬を、医師の判断のもと個人輸入し、自費で使う方法です。

ただし、こちらには注意点があります。

健康保険が使えないため治療費は全額自己負担となり、関連する検査や副作用が起きた場合の対応も自費になることがあります(保険と組み合わせる混合診療は原則認められていないためです)。

自由診療を選ぶかどうかは、効果への期待だけでなく、費用面、ご家族とのご相談、そして主治医の先生としっかり話し合った上で慎重に決めていただきたいのです。

銀座みやこクリニックの「セカンドオピニオン」

銀座みやこクリニックは、がん治療を専門にしているクリニックです。

標準治療を大切にしながら、その先にある新しい選択肢についても情報をお届けすることを大事にしています。

イボネスシマブのような新しいお薬についても、「今世界でどんな試験が進んでいるのか」「ご自身のタイプに合いそうか」「自由診療で受ける場合の注意点や費用」など、患者様お一人おひとりの状況に合わせて丁寧にお話しさせていただきます。

「今の治療のままでいいのかな」「他に選択肢はないのかな」「家族のためにできることは全部知っておきたい」 そう感じている方は、ぜひ一度セカンドオピニオンとしてお話を聞きにいらしてください。

無理に新しい治療をお勧めすることはありません。ご自身が納得した上でこれからの治療を選んでいただく、そのお手伝いをするのが私たちの役目だと考えています。

濱元誠栄院長

今、受けてるがん治療に迷いがある方へ

銀座みやこクリニックは、豊富な治療選択肢によるアプローチであなたに適したオーダーメイドのがん治療をご提供するがん専門クリニックです。

当院はまず標準治療を第一に考え、現在の治療状況を整理したうえで、保険診療・自由診療・補助療法を含め様々な選択肢を一緒に考えるセカンドオピニオンを行っています。

「当院で治療を受けるかどうか」は相談後に決めていただけます。

まずは気軽にお電話もしくはお問い合わせフォームからお問い合わせください。

診察:10時~18時(休診日:水曜,日曜,祝日)
当院住所:東京都中央区銀座3丁目10-15 東銀2ビル 6階

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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