
前立腺のオリゴ転移には積極的な放射線治療が重要


こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
ASCO(米国臨床腫瘍学会)の会議でこんな発表がありました。
オリゴ転移のある前立腺癌に転移巣局所治療と標準治療は標準治療のみに比べて有意に予後を改善【ASCO GU 2025】
多くのがんで、遠隔転移があるとステージ4とされ、手術や放射線治療など根治を望める治療は行われず、抗がん剤などの全身治療が主となります。
そんなステージ4でも、オリゴ転移(限局した5個以内の転移)であれば、転移巣に対して手術や放射線治療を行うことで予後が延びると考えられています。
今回のASCOでの発表は、『前立腺がんのオリゴ転移に対して放射線治療を行ったいくつかの臨床試験を総合して解析すると、オリゴ転移に放射線治療を加えることで、標準治療よりも無増悪生存期間、画像学的無再発生存期間、去勢抵抗性までの生存期間を有意に延長する』というものです。
ちなみに、生存期間に関しては4年生存率で比較していたからか有意差は出ませんでしたが、観察機関が短いことが影響してる可能性があるとのことなので、今後の発表では有意差が出るかもしれません。
前立腺がん自体予後が良く生存期間が長いので、差が付きにくいのですが、再発のない期間が延びるのは良いことですね。
他のがんでもオリゴ転移に放射線治療を追加することで、生存期間の延長が見られることが分かっています。


ただ、一番の問題は臨床医の多くがオリゴ転移に対して理解が浅いことです。
オリゴ転移という言葉すら知らない医師もいます、本当に!
転移=根治不可=全身治療という頭になってしまっていて、オリゴ転移に対して積極的な治療を勧めてくれないことがほとんどなので、患者さん側がしっかり勉強して自ら主治医に提案することが重要だと思います。
ステージ4だからと諦めてはいけません!!
医者はすぐ諦めますが、、、
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