胃がんの99%はピロリ菌が原因!この4つに当てはまる人は、ピロリ菌を調べて!

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濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

今回のテーマは「胃がんの99%はピロリ菌が原因!この4つに当てはまる人は、ピロリ菌を調べて!実は逆流性食道炎も胃がんの原因に!」です。

「胃がんの原因となるピロリ菌」「ピロリ菌検査を受けるべき人」「胃がんでよくある質問」についてお話していきます。

目次

まだまだ多い胃がん

一昔前までは、がんの中で胃がんになる人が最も多く、死亡者数も胃がんがトップでした。しかし今では胃がんの予防ができるようになって、胃がんの患者数も死亡者数も年々減ってきています。

減ってきたとは言っても、まだまだ胃がんになる人は多く、毎年約13万人もいます。

有名人でも胃がんになった人は多く、宮川花子さん、大橋巨泉さん、小林克也さん、王貞治さん、渡辺謙さん、越路吹雪さん、今いくよさんなどです。

ほとんどが50歳以上ですが、スキルスというタイプの胃がんは若い人でも見られ、バレーボール元日本代表の藤井直伸さんは30歳で、黒木奈々さんは32歳、山本Kid徳郁(のりふみ)さんは39歳で、スキルス胃がんと診断されました。

若い人のスキルス胃がんは進行が非常に速く、30代で見つかった先ほどの3名は残念ながらお亡くなりになっています。

胃がんの原因は、ほぼピロリ菌!

胃がん患者さんの99%でヘリコバクター・ピロリ菌(通称ピロリ菌)の感染が見られ、胃がんのほとんどはピロリ菌感染が原因です。

ピロリ菌に感染すると胃炎が起こります。除菌しない限りピロリ菌は胃の中に住み続け、ずっと炎症を起こし続けます。この状態を慢性胃炎と言います。

慢性胃炎の状態では胃の粘膜を防御する力が弱まり、ストレスなどで急性の痛みや胃潰瘍が起きやすくなります。さらに、ピロリ菌感染が長期間に渡ると萎縮性胃炎といって胃の粘膜が薄くなり胃がんができやすい状態になります。

ちなみにピロリ菌感染があると、胃炎以外にも、胃のMALTリンパ腫、特発性血小板減少症、機能性ディスペプシアなどの病気を引き起こします。

ピロリ菌は井戸水や土の中に多く存在していて、胃の免疫力が弱い5歳までの間にピロリ菌に汚染された水や食べものを摂取すると感染します。

井戸水を飲むことのない現代では、ピロリ菌に感染している親が、食べ物を噛み砕いて与えたりした際に、唾液を介して感染すると考えられています。

ピロリ菌は胃の免疫力が強くなる10歳以降はまず感染しないので、ピロリ菌の保菌者とキスをしたりコップを使い回したりしてもうつることはありません。

ちなみに現在、日本人のピロリ菌感染者は約3500万人いて、人口の約4分の1が感染していることになります。しかし、50歳以上の7割が感染しているのに対して、20歳未満だと1割程度しか感染していません。そのため感染しない世代が今後増えていくと思われます。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌に感染してしまっているかどうかを調べる方法は4つです。

  • 吐く息で調べる方法
  • 胃カメラで組織を採取して直接調べる方法
  • 血液や尿の抗体を調べる方法
  • 便中のピロリ菌を調べる方法など

ただし先に胃カメラを行って慢性胃炎や萎縮性胃炎の診断が付いてからでないと保険が効かないので、いきなりピロリ菌検査を行う場合は自費になってしまいます。

胃カメラが苦手な人や全く症状がないという人は自費でピロリ菌検査を行うことでもできますし、健康診断や人間ドックのオプションでもピロリ菌検査があります。自費だと検査法によって料金が大きく異なりますが、2,000~8,000円くらいです。

もしピロリ菌に感染していた場合には、抗菌薬を内服して除菌をします。

「ピロリ菌除去=胃がんにならない」ではない!

胃がんの原因がピロリ菌感染だから、ピロリ菌がいなくなったらもう胃がんにならない。めでたしめでたしというという訳にはいきません。

もし慢性胃炎が起こる前の段階や、起こっていても早い段階で除菌ができれば、将来胃がんになる可能性はかなり低くなります。

しかし、除菌時に萎縮性胃炎まで進行していた場合には、すでに潜在的な胃がんが存在している可能性があるので、除菌後も胃カメラを定期的に受け続ける必要があります。

そのため早い段階でピロリ菌感染を見つけ、萎縮性胃炎が起こる前に除菌してしまおうという動きがあります。

現在、100近い自治体で中学生のピロリ菌検査が行われています。中学生のうちにピロリ菌感染の有無をチェックして除菌することができれば胃がんを完全に予防できる可能性があります。

ではなぜ中学生なのか?主な理由は以下の通りです。

  • 中学生くらいだと、まだ慢性胃炎になっていないことが多い。
  • 胃の免疫力が高いため、一度除菌をすれば一生感染しなくなる。
  • 中学生だと大人と同量の抗菌薬が使えるため治療がしやすい

20代で胃がんが見つかるケースもあるので、除菌は早ければ早い方が良いですね。

長くなったので、これまでのまとめです。

★胃がんの多くはピロリ菌感染が原因です

★ピロリ菌は幼少期に感染し、10歳以降は感染することはまずありません

★ピロリ菌感染が長期化すると、慢性胃炎、萎縮性胃炎と進み、胃がんになりやすくなります

★胃がんを予防するためには、早い時期にピロリ菌を見つけ除菌する必要があります

★中学生でピロリ菌検査を行っている自治体があります。

ピロリ菌検査を受けるべき人とは?

次に、どのような人がピロリ菌検査を受けた方が良いのかについてお話しします。

まずは、家族に胃潰瘍や胃がん患者がいる人はピロリ菌検査を受けるべきです。

血縁者の誰か一人でもピロリ菌を持っていると、育った同じ環境で感染している可能性が高いです。

次に、塩辛いものをよく食べる人もピロリ菌検査を受けた方が良いです。

ピロリ菌が見つかる前は、塩分濃度の高い食事が胃がんの最大のリスクだと言われていました。

東北地方など塩分濃度が高い食事をしている地域で胃がん患者が多く、死亡率も高い傾向にありました。塩分が胃の粘膜を保護する胃液の性状を変え、胃粘膜が胃酸などのダメージを受けやすい状態にします。

ぬめりのある食材を塩もみするとぬめりが取れますが、それと同じようなことが胃の中で起きるようです。

ピロリ菌感染者が塩分濃度の高い食事をしていると、塩分とピロリ菌による二重のダメージで、胃がんが発生しやすくなります。動物実験ではピロリ菌感染しているマウスは摂取する塩分濃度が高いほど胃がんを発生しやすく、感染していないマウスでは塩分濃度による胃がんの発生率の違いはなかったという結果が見られました。

ですから、塩辛いものが好きな人はピロリ菌感染の有無を調べて欲しいです。

三番目、タバコを吸っている人もピロリ菌検査を受けた方が良いです。

日本人を対象にした調査で、非喫煙者を基準とした場合、1日20本吸う人は2倍胃がんになりやすいことが分かりました。

タバコは胃粘膜の血流を減らし防御する力を低下させるだけでなく、胃酸の分泌を増やして胃を荒らしやすくします。喫煙者は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の発生率が高く、再発率も高いというデータもあります。

喫煙者はただでさえ胃粘膜がダメージを受けているので、ピロリ菌感染の有無は調べた方が良いです。

最後に、胃痛を繰り返す人もピロリ菌検査を受けた方が良いです。胃痛などの胃の症状がある人は、慢性胃炎が起こっている可能性があります。

胃の症状はストレスや暴飲暴食、一部の解熱鎮痛薬などその他が原因のこともありますが、繰り返す胃痛は一度ピロリ菌検査を受けてください。

ピロリ菌検査を受けた方が良い人のまとめです。

★胃潰瘍、胃がんの家族歴がある人

★塩辛いものが好きな人

★タバコを吸う人

★胃痛を繰り返している人

これらの1つでも該当したら、胃がんを予防するためにもピロリ菌検査を受けた方が良いと思います。特に家族歴や症状がある人は、中学生からでも受けた方が良いです。

胃がんのリスクを下げ、早期発見に務めましょう

胃がんの原因のほとんどはピロリ菌ですが、ピロリ菌が原因ではない胃がんも1%ほど存在します。

ピロリ菌感染による慢性胃炎や萎縮性胃炎がない胃にできたポリープで、がん化するものがあることが、近年分かってきました。従来、胃のポリープががん化することはほとんどないと言われていたので、胃カメラでポリープが見つかっても放置していました。

もしかすると、検診などで単なるポリープとして見逃されてきた可能性もあります。検診などの胃カメラで、胃にポリープがあると言われたら、しばらくは定期的に胃カメラを行い、大きくなっていないかチェックした方が良さそうです。

胃がんを予防するためには、胃カメラで慢性胃炎になっていないか胃の粘膜の状態を観察し、ピロリ菌がいたら除菌することが重要です。そして塩分濃度の高い食事を控え、タバコを吸わないことでさらにリスクを下げてください。除菌後も胃がんになる可能性があるので、定期的に胃カメラを行ってください。

また、ピロリ菌の有無に関わらず、胃にポリープがあると言われた場合にも定期的に胃カメラを行ってください。もし胃がんを発症したとしても早期で発見することができれば手術せずカメラでがんを取り切ることができ、5年生存率は97%とほとんどの人が治ります。

濱元誠栄院長

ピロリ菌の除菌による予防と、胃カメラでの早期発見に努めましょう。

胃がんについてのよくある質問

胃のバリウム検査で引っかかって、胃カメラをすることになりました。それなら、初めから胃カメラをした方が良いのでは?

バリウムでは早期胃がんの発見は難しい上に被ばくの問題もあるので、個人的には胃カメラをオススメします。ただ、40歳から始まる胃がん検診はバリウム検査となっており、胃カメラは50歳以上しか対象になりません。

胃カメラが苦手なので、胃の症状が何もなければ検査しなくても良いですか?

早期胃がんはほぼ症状がありません。ピロリ菌の有無を調べて、感染しているようなら一度は胃カメラを受けてください。

CTやMRIで胃がんを調べることはできますか?

かなり大きくならないと、CTやMRIでは胃がんは分かりません。やはり胃カメラを行わないといけません。

人間ドックで胃がんのABC検診というのを勧められました。あれは何でしょうか?

ピロリ菌感染の有無と胃粘膜の萎縮度を調べ、胃がんのリスクを予測する血液検査です。

ピロリ菌が住めないくらい萎縮が進んでいると言われました。やばいですか?

ピロリ菌による萎縮性胃炎がかなり進むと、ピロリ菌が生息できなくなり、検査で陰性となることがあります。この場合は、胃がんになるリスクがかなり高いので、毎年胃カメラの検査を行ってください。

胃粘膜の萎縮は、除菌したら元に戻りますか?

慢性胃炎だと戻ることがありますが、萎縮性胃炎まで進むと元に戻ることはありません。

20歳でも胃がんになることはありますか?

最年少は16歳で胃がんになったという報告がありますので、十分なり得ます。

胃の痛みや胃もたれが続いているのに、胃カメラでは異常なしでした。こんなことあるのでしょうか。

胃の粘膜に異常がないのに、胃の運動障害や知覚過敏によって胃痛や胃もたれが生じることがあります。昔は神経性胃炎とかストレス性胃炎と呼ばれていましたが、現在では機能性ディスペプシアと言います。生活習慣の改善や薬で治療します。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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