皮膚がんの見た目画像、初期症状、見分け方!特徴&早期発見のコツ

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濱元誠栄院長

こんにちは。銀座みやこクリニック院長の濱元です。

今回は「皮膚がん」をテーマにお話させていただきます。皮膚がんの基本知識やイボ、シミ、湿疹、ホクロなどとの見分け方などについて解説しますので、ぜひご参考にしてください。

目次

皮膚がんとは

皆さんは「皮膚がん」と言われてどのようなイメージがありますか。皮膚がんは白色人種に非常に多く見られる病気でアメリカでは5人に1人が、オーストラリアでは1.5人に1人が皮膚がんになると言われています。

日本人のような黄色人種には少ないので日本ではなじみが薄くイメージが湧きにくいかもしれません。

皮膚がんはイボのように大きく盛り上がったもの、シミみたいな平べったいもの、湿疹みたいに赤く腫れているもの、ホクロのようなものなど様々な形態があります。

皮膚がんは他の内臓のがんと違って皮膚にできる分、初期の早い段階から発見することができます。しかしあまり知られていない分、進行するまで見過ごされてしまうことも多いです。

皮膚がんを見分ける方法を知っていると、それだけ早期発見につながり完治が望めます。

今回は形態ごとに皮膚がんを見分ける方法についてお話しします。ご自身のだけでなくご家族や友人の皮膚がんを早期で見つけることができるかもしれません。

皮膚構造と皮膚がんについて

まず、皮膚の基本的な構造について説明します。

皮膚は表皮真皮に分かれます。表皮は体の表面を覆って細菌など異物の侵入を防ぐ役割をしています。古くなった表皮は垢として剥がれていくので細胞が盛んに増殖し常に新しい皮膚を生み出しています。

その下には真皮があり栄養を運ぶ血管やリンパ管、痛み・温度などを感じる神経が分布しています。その下が皮下脂肪です。

真皮にできる皮膚がんはほとんどなくて、表皮の有棘細胞や基底細胞ががん化し皮膚がんとなります。他にもホクロのもとになる色素細胞もがん化しホクロのがんであるメラノーマ(悪性黒色腫)となります。

表皮細胞のがんホクロのがんの2つが皮膚がんの中心です。

皮膚がんは種類によってできる場所や特徴が様々ですが、それぞれの特徴を掴んでいれば自身でも見分けることが可能です。

皮膚がんの種類と見分け方

これらを踏まえて以下の皮膚がんの見分け方のお話をします。

①イボと間違えやすい皮膚がん
②シミと間違えやすい皮膚がん
③湿疹とまちがえやすい皮膚がん
④ホクロと間違えやすい皮膚がん

①イボと間違えやすい皮膚がん

イボのように盛り上がるがんは、高齢者の顔や手の甲など紫外線を浴びやすい場所に見られます。

他にも過去に火傷をした箇所や放射線を浴びた箇所、おできを繰り返している箇所などに見られることがあります。

また表面がもろく崩れやすいので、こすれたりすると傷になり表面がジクジクしたりかさぶたになったりします。ジクジク部分が細菌感染すると悪臭がすることもあります。

普通のイボとの見分け方は以下の通りです。

★高齢者の顔や手の甲など紫外線を浴びる箇所にでき、徐々に大きくなる

★火傷やおできの跡にできている

★表面がジクジクやかさぶたになっている

★悪臭がする

以上があれば皮膚がんの可能性があります。

②シミと間違えやすい皮膚がん

ごく初期の皮膚がんはまだ平らでシミと間違えやすいです。ちょっとややこしいのですが、盛り上がってくる前の状態のがんを日光角化症と言います。

がんという名称が付かないので悪いものじゃないように感じますが、日光角化症は皮膚がんです。

日光角化症のできる箇所は紫外線がよく当たる場所です。高齢者では老化によるシミと混在していて見分けが付きにくいことがあります。

シミとの見分け方は以下の通りです。

★普通のシミよりも赤みが強い

★表面がカサカサと乾燥している

★硬く盛り上がってきている

★表面がジクジクしている

以上があれば皮膚がんの可能性があります

③湿疹と間違えやすい皮膚がん

皮膚がんの中には赤い色をしていて一見湿疹に見えてしまうものがあります。表面が少し盛り上がり、ざらざらしていてフケのようなものが付着していますが、かゆみはありません。大きさはまちまちで米粒大のものから手のひらサイズのものあります。

中年以降でお腹周りや下肢、陰部など、紫外線の当たらない箇所にできることが多いです。このシミのような皮膚がんはボーエン病とも言われます。

湿疹との見分けが難しく、初めのうちは薬を塗ったりするのですが、数か月経っても全く改善せず逆に大きくなっていくのでこの時点で初めて診断が付くことがあります。

湿疹との見分け方は以下の通りです。

★かゆみが無い

★湿疹用の塗り薬が効かない

★数か月消えない

★徐々に大きくなっている

以上があれば、皮膚がんの可能性があります。

もう一つ湿疹と間違えられる皮膚がんにパジェット病があります。パジェット病は汗を作るアポクリン腺ががん化した特殊な皮膚がんです。外陰部、肛門周囲、脇など汗の腺が多い箇所にできます。

パジェット病はかゆみがある上に見た目やできる場所も水虫やたむしに似ているのでなかなか見分けが付きにくいです。

塗り薬を塗っていてもなかなか良くならず、徐々に大きくなる湿疹が外陰部や脇にあった場合にはパジェット病を疑います。

④ホクロと間違えやすい皮膚がんについて

ホクロと間違えやすい皮膚がんはホクロから生じるメラノーマ(悪性黒色腫)と、がんがホクロのように見えるものがあります。

まずメラノーマは皮膚がんの中で一番悪性度が高く遠隔転移を起こしやすいです。転移先は脳が最も多く70%くらいの人で脳転移が見られます。

なぜ脳に転移しやすいのかは不明ですが「皮膚がんなのに脳転移?」と思っちゃいますよね。

メラノーマは手足にできることが多く、手のひらや足の裏、指先、爪にできたホクロには注意が必要です。手足にできるホクロはすべてがんだという訳ではありませんが、メラノーマには見分ける特徴があるのでぜひ覚えておいてください。

正常なホクロとの見分け方は以下の通りです。

★急に大きくなる

★形がいびつでギザギザしている(正常なホクロは円形か楕円形です)

★周囲との境界がはっきりしない(正常なホクロは境目がはっきりしています)

★様々な色が混在する(黒以外に、白、赤、茶、青色などが混じることがあります)

★大きさが6mmを超える ・表面が盛り上がっている

以上があればメラノーマの可能性があります。

もう一つのホクロに見えるがんは高齢者の頭や顔によく見られます。他にも過去に火傷をした箇所や放射線を浴びた箇所に見られることがあります。

最大の特徴は中央部が凹んでくることです。凹みが大きくなってくると皮膚を超えて皮下脂肪や筋肉、骨にまで達することがあります。

正常なホクロとの見分け方は以下の通りです。

★高齢者の頭や顔にでき、徐々に大きくなる

★火傷やおできの跡にできている

★真ん中が凹んでいる

以上があれば皮膚がんの可能性があります。

初期の皮膚がんはイボ、シミ、湿疹、ホクロなどと区別が付きにくいです。表皮にとどまっているうちはかゆみや痛みもないので悪いものではないと判断してしまう人も少なくありません。

進行すると真皮に食い込んでいき、ジクジクしてきたり神経を刺激して、かゆみや痛みが出てきたりするので皆さんその段階になって皮膚科を受診します。

濱元誠栄院長

皮膚がんのほとんどは表皮にとどまっている初期のうちであれば皮膚の切除だけで100%に近い確率で治ります。

しかし進行するとリンパ節や内臓にも転移が見られるので、手術範囲が大きくなったり、抗がん剤治療を行ったりすることになります。

皮膚がんは内臓のがんと違って目で見えるので自分でも比較的早期で発見しやすいです。

今回お話しした特徴を覚えておいて早期のうちに皮膚がんを疑い、また少しでもおかしいなと思ったら皮膚科を受診して早期発見・早期治療に努めましょう。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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