がんリスクを下げる生活習慣5選!がん予防に効果的な感染症対策も解説

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濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

今回は「がんになりやすい人、なりにくい人」というお話です。

がんのリスクを高める生活習慣とその改善方法や、がんと関係する細菌やウイルス感染とその対策について解説していきます。

目次

がんリスクを下げる生活習慣

「2人に1人ががんになる」という時代で、がんにならない2分の1に入るようにする方法はあるのでしょうか。これをすれば必ずがんになる、ならないというものはありませんが、生活習慣など工夫次第でがんのリスクを下げることは可能です。

国が出している『日本人のためのがん予防ガイドライン』によると、確実に予防効果が期待できる生活習慣の改善法が5つあります。

①禁煙

タバコでリスクが上がるがんというと肺がんを思い浮かべるかもしれませんが、肺がん以外でも、肝臓がん、胃がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、子宮頸がん、頭頚部がん、膀胱がん、急性骨髄性白血病など多くのがんのリスクを上げるのは確実とされています。

ちなみに、乳がんもタバコと関連が疑われています。

また、受動喫煙でもがんのリスクが上がります。今のところ分かっているのは肺がんと乳がん、副鼻腔がん(鼻の奥のがん)だけですが、がん以外でも心筋梗塞や狭心症、脳卒中、ぜんそくなどのリスクが上がるので受動喫煙は避けたいですね。

②お酒を控える

お酒でリスクが上がるがんには肝臓がん、胃がん、大腸がん、閉経前乳がん、食道がん、頭頚部がんなどがあります。

アルコールの量が多くなればなるほどリスクが上がり、男性で23g未満、女性で10g未満に抑えれば、がんのリスクは上がらないとされています。

23gのアルコールがどれくらいかと言うと、日本酒1合、ビール大瓶1本、焼酎2/3合、ワイングラス2杯が目安となります。女性はその半分です。

またアルコール分解酵素の強さでもがんのリスクが変わり、お酒が弱い人やすぐ顔が赤くなる人はリスクが高いです。

③食生活の改善

食事と関連があるがんはいくつかあり、それに気を付けることでリスクを減らすことができます。

まずは野菜をよく食べるようにすること。これは胃がんと食道がんのリスクを減らすことができます。

1日350g以上の野菜が推奨されています。350gの目安は生野菜を両手に乗せると1杯で約70gなのでその5杯分です。これが茹でたり調理したりした場合は片手で70gとなります。

また1種類の野菜で350gを摂るのではなく、いくつか組み合わせて摂ることが勧められています。

次に果物を摂るようにすることで肺がん、胃がん、食道がんのリスクを下げることができます。果物は1日200g以上が推奨されています。 ただ200gはリンゴや梨なら1個分、みかん2個分で200gなので、結構な量ではあります。

現代の日本人の1日当たりの果物摂取量は100gしかなく、20代から40代では50g程度と、圧倒的に果物の摂取が足りていません。

他には赤肉や加工肉の摂取で大腸がんのリスクが上がります。特に加工肉は保存剤や発色剤として加える亜硝酸ナトリウムに発がん性があります。また赤肉を高温で焼く際にも発がん性物質が生じます。

一方で魚の摂取はがんのリスクを上げることはなく、子宮頸がんのリスクを下げます。赤肉や加工肉を少し減らして魚を多く摂るようにしましょう。

ただし魚を摂ると言っても、塩ザケやたらこなど塩分の多い食品は胃がんのリスクを上げることになります。

イソフラボンで有名な大豆や豆腐などの大豆製品は乳がんと前立腺がんのリスクを下げます。

飲み物では、緑茶は胃がんのリスクを下げ、コーヒーは肝臓がんと女性の大腸がん、子宮体がんのリスクを下げます。

コーヒーに含まれる成分が肝臓の炎症を抑えることで肝臓がんの予防になると考えられており、毎日1杯以上飲む人は肝臓がんのリスクが2分の1になるようです。

ただし熱い飲み物を飲みすぎると食道粘膜に火傷が起こり食道がんのリスクが高まるので注意が必要です。

④運動

運動は大腸がん、閉経後乳がん、子宮体がんのリスクを下げます。

ではどれくらいの運動が必要か。具体的には1日45分の早歩き、30分の軽いジョギング、25分のランニングや水泳が必要です。

運動する余裕が無いという人でも生活の中で歩行を1日60分、子供との遊びを45分、階段昇降を30分すれば十分な運動に匹敵します。

⑤適正な体形

肥満は肝臓がん、大腸がん、乳がん、膵臓がん、子宮体がんのリスクを上げます。

適正な体形というのは肥満度を表すBMIで21-25くらいのことを言い、具体的には身長150㎝の人で47~57㎏、160㎝の人で54~64㎏、170㎝の人で60~73㎏が適正な体形です。

がんリスクを下げる感染対策

あと生活習慣ではないですが「感染対策」もがん予防法の一つです。

まずB型・C型肝炎ウイルスに感染している場合は肝臓がんだけでなく、非ホジキンリンパ腫という血液のがんのリスクが上がることが知られています。

B型・C型肝炎ウイルス検査は保健所で無料で受けることができるので、自身が感染していないか一度は調べてください。抗ウイルス薬で治療すれば、がんになるのを予防できます。

胃がんの原因となるヘリコバクター・ピロリ菌の感染も一度は調べてください。ピロリ菌を除菌することで胃がんのリスクを減らすことができます。

ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染は子宮頸がんで有名ですが、他にも外陰がん、膣がん、肛門がん、中咽頭がん、扁桃がんの原因となります。

HPVは性交渉で感染しますが、ワクチンで9割以上の確率で防ぐことができます。感染後にワクチンを接種しても効果が無いため、初めて性交渉を行う前にHPVワクチンを接種することが重要です。小学6年生の学年度から15歳の誕生日の前日までがHPVワクチンの定期接種期間となっています。

感染対策のまとめです。

★B型C型肝炎ウイルスに感染していないか一度は調べ、感染していたら治療する。早期発見、早期治療で肝臓がんを予防することができます。

★ピロリ菌感染も一度は調べ、もし感染していた場合には除菌する。早期発見、早期治療で胃がんのリスクを減らすことができます。

★HPVワクチンを接種する。HPVへの感染を防ぐことで子宮頸がんを始めいくつかのがんを予防できます。

まとめ

がんは生活習慣と大きく関わっています。生活習慣の改善の5項目をすべて行うことで、がんになるリスクを男性で43%、女性で37%減らすことができます。

すべて行うのは難しいですが、がんのリスクを減らすため頑張りましょう。

また感染については、かなり高い確率でがんのリスクを減らすことができます。生活習慣の改善+感染対策で、がん予防に努めましょう。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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