グルテンフリーは嘘?FODMAP『フルクタン』が不調の真犯人となる根拠

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

「グルテンフリーにしたら体調が良くなった!」という声をよく耳にしませんか。

テニスのジョコビッチ選手の本が流行って以来、グルテンはすっかり「健康の敵」のような扱いを受けています。

ですが、医学的な視点から見ると「グルテンが体に悪い」というのは、多くの人にとって少し誤解が含まれているのが実情です。

今回は、グルテンの正体と、実はその陰に隠れている真の黒幕「FODMAP(フォドマップ)」についてお話しします。


目次

グルテンが悪者にされる理由

そもそもグルテンとは、小麦やライ麦に含まれるタンパク質の一種です。これが悪者とされる主な理由は、以下の2つに集約されます。

  1. セリアック病: グルテンに対して免疫反応を起こし、小腸が傷ついてしまう遺伝性の病気。
  2. 非セリアック・グルテン過敏症: 検査では異常がないものの、グルテンを摂ると腹痛や倦怠感が出る状態。

しかし、統計的に見ればセリアック病は日本人には極めて稀ですし、過敏症の人もそれほど多くはありません。では、なぜ日本人で「パンをやめたらお腹の張りが消えた」という人がこれほど多いのでしょうか?

真の黒幕は「フルクタン」かもしれない

ここで登場するのがFODMAP(フォドマップ)という概念です。 FODMAPとは、小腸で吸収されにくい特定の糖類の総称で、大腸で発酵してガスを発生させ、腹痛や下痢、便秘(過敏性腸症候群:IBS)の原因になります。

小麦にはグルテンだけでなく、このFODMAPの一種である「フルクタン」という糖類が豊富に含まれています。

ここがポイント! 「小麦製品を抜いて体調が良くなった人」の多くは、グルテンを避けたからではなく、実はフルクタン(糖質)を避けたことで腸の不調が改善した可能性が高いのです。

「グルテンフリー」の落とし穴

もしあなたが、なんとなく「体に良さそうだから」という理由でグルテンフリー食品を選んでいるなら、少し注意が必要です。

  • 加工度の向上: グルテンの代わりに、食感を出すための増粘剤や砂糖、質の悪い油が大量に使われている商品が少なくありません。
  • 栄養の偏り: 極端な小麦排除は、食物繊維やビタミンB群の不足を招くこともあります。

「グルテン=毒」と決めつけるのではなく、自分の体質を見極めることが大切です。


自分の体質を知るためのステップ

自分が本当に「グルテン」に弱いのか、それとも「FODMAP」に反応しているのかを知るには、以下の方法が効率的です。

  1. まずは3週間、小麦製品を完全に抜いてみる。(これで体調が良くなるか確認)
  2. その後、あえて「グルテンは含まないがフルクタンは含む食品(タマネギやニンニクなど)」を食べてみる。
    • これで不調が出るなら、犯人はグルテンではなくFODMAPです。
  3. 逆に「フルクタンは少ないがグルテンは含む食品(グルテンミートなど)」を食べてみる。
    • これで不調が出るなら、あなたは本物のグルテン過敏症かもしれません。

世の中の流行に流されて、美味しいパンやパスタを一生我慢するのはもったいない話です。まずは「自分の腸が何に反応しているのか」を冷静に観察することから始めてみませんか?

<高FODMAP食品と低FODMAP食品>

カテゴリー高FODMAP食品(控えめにしたいもの)低FODMAP食品(お腹に優しいもの)
穀類小麦(パン、パスタ)、ライ麦、大麦米、そば(十割)、タピオカ、ジャガイモ
野菜タマネギ、ニンニク、アスパラガス、ゴボウキャベツ、レタス、トマト、キュウリ、ナス
果物リンゴ、ナシ、桃、スイカ、ドライフルーツバナナ、キウイ、イチゴ、ミカン
豆類納豆、大豆、小豆、レンズ豆豆腐(木綿)、味噌(適量)
乳製品牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム豆乳(調整なし)、硬いチーズ(パルメザン等)
甘味料はちみつ、キシリトール、高果糖液糖砂糖、メープルシロップ、ステビア
濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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