
糖質制限でがんは治る?効果も意味もない?逆に寿命を縮めかねない理由
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濱元誠栄院長こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
今回は「砂糖(糖質)はがんに悪いというのは本当?糖質制限とがんの関係」というテーマでお話しさせていただきます。
「細胞は糖質が大好きだから、砂糖はがんに悪い」——そんな言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、甘いものを完全に断つことが、がん治療の正解なのでしょうか?
今日は、その神話の裏側にある真実について、エビデンスに基づき詳しく解説していきます。
なぜ「糖質=がんの餌」と言われるようになったのか?

そもそも、なぜ糖質ががんの餌だと言われるようになったのでしょうか。
それは、1920年代にオットー・ワールブルクという学者が発見した「がん細胞はブドウ糖を大量に消費する」という性質に由来しています。
この発見がいつしか「糖を断てばがんが消える」という極端な理論の根拠になってしまったのです。
しかし、極端な糖質制限には、実は大きなリスクが伴います。
極端な糖質制限に潜む3つのリスク
1. 脳が「飢餓状態」に陥る
脳はブドウ糖を主な燃料としています。そのため、糖質を制限しすぎると、思考力の低下や強いストレスを招いてしまいます。
糖質が枯渇した時には、代わりに脂質から作られる「ケトン体」というバックアップ燃料が使われますが、これはあくまで緊急用のシステムです。
交感神経を興奮させ、免疫力に悪影響を及ぼす可能性もあります。
さらに、脳が必要とするエネルギーのうち、ケトン体で賄えるのは最大でも70〜80%程度。
どんなに制限しても、脳は常にブドウ糖を欲しているのです。
2. がんは「別の燃料」を見つけて生き延びる
近年の研究では、乳がんやメラノーマ(悪性黒色腫)などの特定のがん細胞が、なんとケトン体を餌にして成長することが判明しました。
つまり、糖を断ったとしても、がんは別の燃料を見つけ出して生き残ろうとします。
「糖を断てばがんは死ぬ」という単純な図式は、現在の科学では否定されつつあります。
3. 筋肉が落ちて衰弱する「悪液質(カヘキシア)」の恐怖
がん治療において本当に怖いのは、急激に筋肉や脂肪が減少して衰弱してしまう「悪液質(カヘキシア)」と呼ばれる状態です。
糖質を極端に減らすと、体はエネルギーを作り出すために自らの筋肉を分解し始めます。
その結果、この衰弱をさらに加速させてしまうのです。
体力こそが「最大の武器」
極端な糖質制限は、脳の活動低下や集中力の欠如、ストレスによる生活の質の低下を招く一方で、がんの抑制効果については科学的な根拠が十分に足りていません。
がん治療をしっかりと乗り越えるための「体力」こそが、患者さんにとって最大の武器になります。
現場で多くの患者さんと向き合ってきた医師として、お伝えしたいことがあります。
砂糖は決して、がんの餌というだけの「敵」ではありません。むしろ、患者さんが明日を生き抜き、厳しい治療を乗り越えるための大切な「燃料」なのです。
少量の甘いものは、高ぶった神経を和らげ、リラックスさせてくれます。
疲れた時の一口は、明日の活力を呼び起こす『戦略的なスイッチ』になります。
自分を追い詰めるのではなく、心を整えるために上手に活用してください。
まとめ:心と体の声に耳を傾けよう
大切なのは、極端な禁止ではなく、自分の体と心の声に耳を傾けることです。
「しなやかに選択すること」
それこそが、がんという長い道のりを歩むための、最も優れた知恵なのです。













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