
4種免疫療法のエビデンスを解説します!

濱元誠栄院長こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
新しく始める、4種免疫療法(正式名称:活性化自己リンパ球療法(CIK療法))について、ブログでご紹介してきました。

今回は、4種免疫療法が効くというエビデンス(科学的根拠)について解説していきます!
その前に、免疫細胞の種類について、事前にこのブログで予習をお願いしますm(__)m

日本で免疫(細胞)療法と言うと
・樹状細胞療法(がんワクチン、ネオアンチゲンなど)
・NK細胞療法(活性化NK、ANKなど)
が2大巨頭として最大のシェアを誇っています。
どちらも、1種類の免疫細胞をターゲットとしており、1種類にするメリットは、狙いの細胞の「純度」と「絶対数」を高めることです。
その他、1種類だけの治療法は、シェアは少ないですが、下記もあります。
・NKT細胞療法
・γδT細胞療法
上記の単一細胞だけではなく、免疫細胞を組み合わせることで、より効果を高めようとする複合療法もあります。
・6種複合免疫療法(キラーT細胞、NK細胞、NKT細胞、γδT細胞、樹状細胞、ヘルパーT細胞)
・BAK療法(NK細胞、γδT細胞)
・αβT細胞療法(キラーT細胞、ヘルパーT細胞)

*実際は抑制型T細胞など、その他のT細胞も含まれています
・LAK療法≒αβT細胞療法
そして、今回ご紹介するこちら
・4種免疫療法(キラーT細胞、NK細胞、CIK細胞、γδT細胞)
*CIK細胞は、NKT細胞に似た細胞です

こんなに種類があると、患者さんからすると、
「どれを選んだらよいのか分からない」
「どれが一番効くの?」
という気持ちになりますよね。。。
日本でこれだけ免疫療法がありますが、それぞれの免疫療法を直接比較した臨床試験はなく、どれが良いかは正直なんとも言えません。
「じゃあ、どれが一番エビデンスがあるの?」
という質問だとどうでしょう?
これは、4種免疫療法が最も強いエビデンスがあると言えます。
2大巨頭の免疫細胞療法は研究の数はたくさんあるのですが、
抗がん剤治療+免疫療法 VS 抗がん剤治療
という比較試験がほぼありません。
それは、混合診療禁止という日本の保険制度が大きく関わっています。
抗がん剤(保険診療)+免疫療法(研究費:自己負担なし)という臨床試験で、一般的な予後よりは延長したというものはありますが、エビデンスとしては弱いです。
4種免疫療法は、日本ではなく中国や韓国で臨床試験が行われているので、比較試験の結果がしっかりとあり、高いエビデンスを作ることができたという事情があります。
*日本の免疫細胞療法が劣っているという意味ではなく、(保険構造の問題で)比較試験が行われていないのでエビデンスとしては弱いということです。
長くなりましたが、4種免疫療法のエビデンスをご紹介します。
*海外での臨床試験では、CIK細胞療法となっています。
まずは、韓国で行われた、肝細胞がん再発予防の第3相試から

肝細胞がんの根治治療(手術 or ラジオ波)後に再発予防のCIK療法を行うことで、無再発生存期間(RFS)と全生存期間(OS)が有意に延長したというものです。
対照群(無治療:赤)と免疫療法群(CIK療法:青)のグラフです。


気になる投与回数と期間はこちら
最初の2か月間(1〜8週) : 1週間おきに計8回
次の2か月間(9〜24週) : 4週間おきに計4回
残りの期間(25〜60週) : 8週間おきに計4回
はじめに集中的に免疫のベースを作るために1週おきにし、トータルで約1年2か月(60週間)にわたるプログラムです。合計16回です。
この臨床試験を90か月追跡した論文もあります。

再発予防にCIK療法を60週行うことで、長期間の再発予防や生存率低下につながることが分かります。
次に、膠芽腫(グリオブラストーマ)と呼ばれる、最も予後が悪い脳腫瘍の臨床試験。

初発の膠芽腫に対する標準治療(手術+放射線+テモゾロミド)に併用することで、重篤な副作用を増やすことなく無増悪生存期間(PFS)を延長させた第III相試験
先ほどの肝細胞癌ほどの差はありませんが、無増悪生存期間のみ有意差があるという結果でした。

気になる投与回数と期間はこちら
最初の4週 : 1週間おきに計4回
その後の32週 : 2~4週間おきに計10回
はじめに集中的に初期投与し、トータルで約8か月半(36週間)かけて、合計14回です。
次に、大腸がんの臨床試験

一次治療の標準化学療法(FOLFOX4)にCIK療法を加えた方が、無増悪生存期間(PFS)、生存期間(OS)ともに延長したという結果です。
この臨床試験でのCIK細胞の投与方法が斬新でした。
FOLFOX4が2週間(14日間)を1サイクルとして繰り返される中、1サイクルの間に以下のタイミングで計3回投与されます。
- 1回目: 抗がん剤投与の「9日目」
- 2回目: 抗がん剤投与の「11日目」
- 3回目: 抗がん剤投与の「13日目」
抗がん剤によってがん細胞がダメージを受け、弱っている、あるいはがんの目印が露出しやすいタイミング(後半の休薬期間に近い時期)をピンポイントで狙って、2日おきに3連続で集中投下する設計です。
この発想はなかった。。。
抗がん剤治療の直前に投与すると、「免疫細胞まで抗がん剤にやらてしまう」と考えていましたが、逆にこれがベストのタイミングなのかもしれません。
4種免疫療法は、一気に6回分作成してしまうので、2日おきでも十分投与は可能です。
ただ、投与前日の13日目だと、翌日熱出たら延期になってしまうので、8日目、10日目、12日目くらいが現実的なのかもしれません。
次に非小細胞肺がんの臨床試験

非小細胞肺がん(ステージ1-3)の術後、再発予防の抗がん剤を4クール投与後に、さらにCIK療法を加えたというものですが、CIK細胞単独よりも、CIK細胞とNK細胞を交互に投与する方法がより生存期間を延長しています。
こちらの投与方法は、
1~3日目 :3日連日投与
4~28日目:投与無し
上記を4~6サイクル投与するというものです。
*NK細胞を併用する時は、CIK/NKを毎月交互に投与
免疫細胞を一度に大量に投与して免疫反応を起こし。その後体内の免疫系が落ち着いて再構築されるのを1ヶ月待つという設計のようです。(NK細胞の併用については、今後紹介します)
次に腹膜播種を伴う胃がんの臨床試験

腹膜播種を伴う胃がんに対して、標準治療(SOX:TS-1+オキサリプラチン)にCIK療法を加えても、無増悪生存期間や全生存期間は変わりませんでした。
やはり胃がんの腹膜播種(主にスキルス胃がん)は難しいと思っていたら、播種の個数で分けると差が出ました。

腹膜播種が2個以内であればCIK療法の併用の効果がはっきり表れるようです。
CIK細胞の投与方法は
抗がん剤(SOX)が3週間(21日)おき
1回目 : 抗がん剤投与の「14日目」
2回目 : 抗がん剤投与の「15日目」
抗がん剤によってがん細胞がダメージを受け、弱っている、あるいはがんの目印が露出しやすいタイミング、かつTS-1が休薬するタイミングに集中投下する設計です。
胃がんに関しては、もう一つ興味深い研究がありました。
胃がん術後で再発予防の抗がん剤治療が終わった患者さんに、CIK療法を行ったところ、投与回数で5年生存率が異なったというものです。

回数を投与するためには、やはり費用が問題になってくるため、今回導入した4種免疫療法 6回セットで99万円というのは、負担を軽減できると思います。
さて、膵臓がんはどうでしょう。
膵臓がんでは、他のがん種のように、明らかな有意差は見られていません。化学療法+樹状細胞+CIK療法で有意差が出るという研究もありますが、出ないという研究もあります。
ただ、長期コントロールできたという症例報告もあります。

57歳の男性。ステージ4の膵臓がんに対して、SOLAR療法(TS-1+オキサリプラチン+アブラキサン)後に、再発病変に対して、ラジオ波→放射線治療。その後、オプジーボ+CIK療法のみで2年完全奏功が続いている症例です。リンパ球数も回復しています。
ちなみに、CIK療法はオプジーボと同日に投与されています。
もう1例

73歳。ステージ3の膵臓がんで、化学療法を拒否し、CIK療法を単独で行った症例。12.5か月の間、腫瘍の大きさは「不変」を維持し、16か月目に他界しています。
腫瘍サイズは変わらなかったものの、背部痛や腹痛が完全に消失し、食欲が戻り、体重が増加しています。全身状態の指標であるKPSスコアが「60(要介護・介助)」から「90(通常の生活が可能)」まで大幅に回復したというのも注目ポイントです。
抗がん剤治療なしで、生活の質も向上し、これだけ生存できたというのは驚きです。
気になる投与回数は、
1~4日目 :4日連日投与
5~28日目:投与無し
これを、4サイクル行ったそうです。
なんと、1サイクル投与した時点で、生活の質が回復したらしい…マジですか…
膵臓がんで、CIK療法単独で二次治療を行った臨床試験もありました。

こちらは、二次治療でCIK療法だけを行った第1相試験ですが、通常の二次療法の生存期間(4-8か月)よりも、倍近く延長しています。
しかも、CIK療法単独で、2年近く生存している症例がいます…スゴい!
気になる投与回数と期間はこちら
最初の5週 : 1週間おきに計5回
その後 : 2週間おきに計5回
はじめに集中的に投与するのがやはりポイントなのかもしれません。
次は乳がんの臨床試験

トリプルネガティブ乳がんで、対照群(化学療法のみ)とCIK群(化学療法後にCIK療法)群と比較して、CIK群は無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)が有意に延長しました。
投与間隔は、
1、2日目 :連日投与
3~21日目:投与無し
上記を1サイクルとして、投与し続けるというものです。
ちなみに、この研究では、3週間おきの2日連続投与を1サイクルとして、サイクル数と効果の差も調べています。

6サイクル、つまり2セット12回以上投与した方が、無病生存期間も全生存期間も延長するというものです。
1セット6回で200万円とか300万円する免疫療法を、2回行うよりも、4種免疫を2セットする方が経済的に大きなメリットがあります。
次は卵巣がん

手術後の化学療法(パクリタキセル+カルボプラチンなど)を行った後、CIK療法を追加することで、生存期間が延長したというもの。
特に45歳以上、CA125値が1000以下の症例、あるいは1cmを超える残存病変がある症例において、より高い上乗せ効果があった。
投与間隔は、2週間おきに4サイクル以上となっています。
長々と書いたので、そろそろまとめます。
・4種免疫療法は、これまでの日本の免疫療法にない強いエビデンスがある。
・4種免疫療法で効果的とされる投与間隔は集中型。
パターン①(どんなタイプでも)
「はじめは1週間毎で免疫を強化し、その後間隔を広げる」
パターン②(化学療法の併用なし)
「2~4日間連続投与を、2~4週間毎に繰り返す」
パターン③(化学療法の併用あり)
「抗がん剤治療の直前に集中的に投与し、相乗効果を狙う」
・初回採血で6回分を作成するため、集中型の投与がしやすい。
・可能であれば、2セット(12回)以上の投与が望ましい。
これらを可能にするのが、やはり料金だと思います。
何とか実現した、1セット6回 99万円(税込)が、多くの方の希望につながるよう願っています。













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