一番エビデンスのある(自由診療の)免疫療法は何か?

濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

似たような記事を先日書きましたが、本当かどうか検証してみます。

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4種免疫療法(CIK療法)の肝臓がん・胃がん等のエビデンス解説 こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。 新しく始める、4種免疫療法(正式名称:活性化自己リンパ球療法(CIK療法))について、ブログでご紹介してきました...

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まず、数ある日本の免疫細胞療法の中で、メジャーな治療法について症例数をまとめてみました。

グループ・施設主な免疫療法公表症例数・実績
瀬田クリニック東京
瀬田クリニック系
樹状細胞ワクチン、NKT、αβT、2DGキラーTなど24,500人超
*2025年9月末時点
日比谷内幸町クリニック高度活性化NK細胞療法+4種複合免疫療法20,000症例超
*2024年3月末時点
東京ミッドタウン先端医療研究所樹状細胞ワクチン療法累計投与件数10,000件超
*2025年末時点
プレシジョンクリニック樹状細胞ワクチン中心+薬物療法等6,000例超
ANK療法
リンパ球バンク系
ANK免疫細胞療法3,764例
*2024年11月時点
RIKEN-NKTNKT細胞標的治療約420症例以上
*2022年10月時点
BAK療法系BAK療法約900名
*2008年8月〜2013年9月
GCリンフォテック系CIK療法CIK療法/活性化自己リンパ球療法/iNK不明
6種複合免疫療法
同仁がん免疫研究所
6種複合免疫療法不明

最も症例数が多いのは、最古参の瀬田クリニックで、私が医者になる前の1999年のスタートから約2.5万人に免疫療法を行っています。次点が、日比谷内幸町クリニックで、2003年から2万人を超える患者数を誇っています。

当院が新しく採用した4種免疫療法のGCリンフォテックは症例数が不明、6種複合免疫療法も症例数を開示していません。

裏情報によると、いずれも5000症例は軽く超えていそうですが、なぜ開示しないのは不明です。

ちなみに、それぞれの治療がどれくらいエビデンスがあるか調べたところ、このような結果になりました。

4種免疫(CIK)療法が最もエビデンスがあります。

その理由は、CIK療法が韓国や中国で盛んに臨床試験が行われているからです。

CIK療法のエビデンスについてのまとめはこちら

がん種エビデンスの強さ主要ポイント
肝細胞がん強い根治治療後の第III相ランダム化試験でRFS・OS延長
膠芽腫中〜強第III相試験でPFS延長、OS差なし
胃がんCIK+SOXでPFS/OS改善傾向、統計学的有意差なし
大腸がん複数研究でOS/PFS改善報告、後方視研究・小規模研究が中心
膵臓がん化学療法+CIKでOS・DCR改善報告
乳がん/TNBC術後補助でDFS/OS改善報告
卵巣がん弱〜中初回治療後の維持療法でPFS改善報告

日本では混合診療が禁止なので、標準治療+免疫細胞療法という組み合わせでの臨床試験は、まず行われません。

CIK療法は、隣国でだとそれが叶うため、エビデンスが蓄積されたというのが現状です。

日本でも同じような臨床試験ができれば、結果が出ると思います。

数ある免疫療法の中で、4種免疫(CIK)療法が最もエビデンスが豊富ということはわかりましたが、では

CIK療法が最も効果が高いかの?

と問われると、他の免疫免疫療法と比べた訳ではないので、正直分かりません。

免疫細胞療法の効果について、開示している施設はほぼないのですが、2件だけ見つけました。

左が瀬田クリニックのデータです。HPによると、、

1クール(6回)以上行った患者さん5,460名のうち、肺、胃、大腸、肝、膵、乳、子宮、卵巣の原発がん患者さんの1,198症例についてまとめたものです(調査期間は10年間)

とあります。

免疫細胞療法を考える患者さんの大半が、ステージ4かつ標準治療終了後なので、1クール6回を完遂できないケースもかなりあります。

このデータは6回(約3-5か月)投与出来るくらいの予後だった、比較的元気な患者さんと言えます。

奏効率はこんな感じです。

完全奏効1.4%、部分奏効11.9%、長期安定12.1%、安定28.6%、無効46.0%

つまり、がんが小さくなる確率は約13%、がんが消えてしまう確率は1.4%ということです。

ただ、ここでもう一つ注意しなければならないのは、これが化学療法と併用した症例も含めてのデータということです。

化学療法の併用なしで免疫細胞療法単独でのデータはも出されていて

奏効率5.9%(おそらく完全奏功は0%)、病勢コントロール率53.4%

という結果です。

免疫細胞療法単独を化学療法と併用する患者さんは、多くが三次治療以降なので、その段階での化学療法の奏効率が10%未満であることを考えると、奏効率5.9%というのは妥当な結果だと思います。

また、上記の症例にはステージ1‐3も含まれているので、ステージ4の患者さんでの実際の効果というのは分かりません。

右側の6種複合免疫も、1クール(6回終了患者のみ)し、ステージ1‐3も含み、かつ化学療法の併用も含むデータなので、

大きく減少5%、減少21%、不変53%

という結果も瀬田クリニックと同じような感じになるのも分かります。

私自身、アルバイト先なども含めていくつかの免疫(細胞)療法を経験して、樹状細胞療法などの単一細胞の免疫療法でも、複合型の免疫療法でも奏効率はこれくらいだという肌感覚があります。

じゃあ、抗がん剤の方がましかと言うと、ステージ4で三次治療、四次治療となると、抗がん剤治療を行っても奏効率は10%未満であることがほとんどなので、大差がないようにも感じます。

そんな免疫細胞療法ですが、ステージ4で、免疫細胞療法単独でも、完全奏功や緩解に近い結果を出した症例が報告されています。

症例治療結果
再発スキルス胃がん
80歳男性
WT1・MUC1樹状細胞ワクチンの腫瘍内投与病理検査でがん細胞消失、30か月以上寛解
術後再発大腸がん
70歳代男性
αβT細胞療法+ペプチド添加樹状細胞ワクチンPETで再発病巣消失、CR維持
再発腎細胞がん
70歳代男性
αβT細胞療法+樹状細胞ワクチンCR、5年半以上経過
再発膵がん・肝転移
59歳男性
活性化自己リンパ球療法肝転移がCTで消失、長期寛解

トータル5万件以上の免疫細胞療法が行われても、ステージ4での単独での完全奏功はかなり低く、奇跡のような確率だと思います。(6種でも4種でも、数例はあると聞いています。でも、なぜ報告しない、、、)

ただ、ほぼ治らないからと言って免疫細胞療法を諦めるのではなく、初めに紹介した4種免疫のデータを見てみても、延命効果がいくつかの研究で示されているので、免疫療法=延命(あわよくば根治)というスタンスで行うことが必要なんだと思います。

ちなみに、4種免疫療法の研究では、投与回数を重ねれば重ねるほど効果が高く、再発しにくくなることが分かっています。

回数を増やす方法は、200万~400万する高額な免疫細胞療法では金銭的に難しく、比較的安価な設定にする必要があります。

そのため、当院で扱っている4種免疫(CIK)療法は 99万円(税込)と、免疫療法界隈では、最安値で設定しました。

また、免疫細胞療法に関しては、ステージ3と4では雲泥の差で、ステージ3の方が、はるかに免疫反応が起こりやすいということが分かっています。

2年前に、『膵臓がんで奏効率70%!』と世間を騒がせた化学療法+免疫細胞療法の記事。

学校法人慈恵大学 - 公式サイト
世界初、切除不能膵癌に対するWilms腫瘍(WT1)樹状細胞ワクチンを併用した化学療法を考案・実施 ~治療奏効... 東京慈恵会医科大学の消化器・肝臓内科教授(当時)小井戸薫雄らは、切除不能膵癌に対して、世界初の治療法として「W

こちらも、ステージ3の症例が半数以上でした。

免疫療法は、ステージ4と診断されて標準治療が終わってから始めるのではなく、ステージ3など早い段階から始める方が、間違いなく成績がよいので、始めるべきだと思います。

今日の話のまとめです。

・最もエビデンスが高いのは4種(CIK)細胞療法である。

・ただ、免疫細胞療法の効果はどこも同じくらい(と考える。)

・(4種では)、投与回数が多いほど効果が現れる。

・完全寛解/根治に至った症例がわずかながらある。

・ステージ4よりステージ3以下の方が効果的なので、早い段階で免疫細胞療法を考えても良い。

免疫細胞療法は、『どんながんでも効く』『どんな状態でも効く』夢のような治療法では決してありません。

末期がんとなっても、再発を抑えたり、延命など生命予後を改善する可能性がある治療法です。

ただ、始めるなら早い段階の方が効きやすいことは事実です。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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