肝臓がん・肝転移の最新治療、マイクロ波焼灼術(MWA)とは?
濱元誠栄院長
こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。
こんなニュースがありました
肝がん治療におけるマイクロ波焼灼療法の有用性を証明 ~第2世代マイクロ波焼灼療法 vs. ラジオ波焼灼療法:多施設共同ランダム化比較試験~
肝がんや肝転移に対してラジオ波焼灼術(RFA)はよく耳にすると思います
ラジオ波焼灼術は熱凝固療法とも言われ、文字通りラジオ波で腫瘍を焼灼壊死させる方法です
東京医科大学のHPに分かりやすい図がありました
電極が熊手状に広がり、1回の照射で約3㎝の範囲を焼灼する
今回記事になったのは、マイクロ波焼灼術(MWA)です
電子レンジの理論で腫瘍を焼灼するのですが、RFAより広範囲の治療が短時間できるという特徴があります
MWA自体は30年近く前に保険承認されているのですが、今回新しい機器が登場し、より大きな腫瘍に対しても安全な治療が可能になりました
今回の臨床試験では、新しいマイクロ波治療器による
ラジオ波焼灼 VS 新マイクロ波焼灼
の実際の治療成績を比較しています
治療後2年間の局所再発率(LTP)を比べると、MWAの方が再発が少なくなっています
生存率はどうかというと
どちらも差がありませんでした
2年間の局所再発率
マイクロ波 < ラジオ波
生存率
マイクロ波 = ラジオ波
合併症発生率
マイクロ波 = ラジオ波
また、この臨床試験には記載がありませんでしたが、
穿刺回数、施術時間ともに
マイクロ波 < ラジオ波
また、焼灼範囲もマイクロ波の方が広くできる
という報告が慶應病院から出ていました
今後、ラジオ波焼灼術(RFA)に代わって、新世代のマイクロ波焼灼術(MWA)がより使用されるようになってくると思います
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