末期がんは助からない?がんのステージ1・2・3・4とは?分類、治療方法、余命について

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濱元誠栄院長

こんにちは、銀座みやこクリニック院長の濱元です。

今回のテーマは「がんのステージ1・2・3・4の治療方法は?末期がんとはどんな状態?余命とは?」です。

「ステージ1・2・3・4の違いとその治療方法」「末期がんと余命」「ステージと末期がんについてよくある質問」についてお話していきます。

目次

がんの「ステージ」とは?

がんと言われた際に、気になるのは「ステージがどうなのか」だと思います。他人ががんになった時も「〇〇さんは膵臓がんのステージ4らしい」とか、ステージを付けて伝えたことはないでしょうか。

では一体、ステージとはどういうもので、どのように決められているのでしょうか。

がんのステージは日本語で病期と訳します。「期」とは初期や末期といった単語でも使われ、「段階」を示す言葉です。

ステージとはがんの進行段階を示しており、通常、0から4までの5段階に分けられます。ステージ0は最もがんが小さく、局所にとどまっている状態で、がんの範囲が広がっていくにしたがって数字が大きくなります。ステージ4が最も高い数字で、がんが他の臓器まで広がっている状態のことを言います。

がんのステージを見極めることは、今後の治療方針を決める際にとても重要です。これまで同じがんの種類や状態の患者さんに、どのような治療が行われ、その効果はどうだったか、今診ている患者さんに同じように行うことが可能かどうかを検討します。このようにステージは役立っています。

このステージを決めるのに、TMN分類という指標が用いられます。血液のがん以外は必ずこのTMN分類を用いてステージを決めます。Tはがんの大きさと広がり方を、Nはリンパ節転移の有無、Mは遠隔転移の有無を数値で表します。

通常患者側に伝えられることはありませんが、病理検査結果や紹介状を書く時には、必ずステージだけではなくこのTMN分類が記載されています。例えば、“胃がんT2N1M0でステージ2”といった感じです。

「ステージ0」とは

まずはステージ0についてお話しします。ステージ0というのはあまり聞いたことが無いかもしれません。がんが腸の壁や腺管の表面にだけ薄く存在する場合をステージ0と表現します。乳がんでは乳管の中にだけ存在する超早期がんのことを指します。

ステージ0の場合にはリンパ節転移はない状態なので、手術でその部位を切除すれば完治となります。胃がんや大腸がんでは、胃カメラや大腸カメラで切除できるので、1泊2日程度の入院で済みます。

ちなみに難治性がんの代表である膵臓がんも、ステージ0で切除すれば5年生存率85%と高い治癒率が期待できます。がんは必ずステージ0から始まるので、ステージ0の段階で見つけるのが理想です。

ステージ0でがんの症状が出ることはまずないので、健康診断や人間ドックでCT・MRIなどの画像検査を行ったり、胃カメラや大腸カメラなどを定期的に行ったりして見つけるしかありません。

「ステージ1」とは

ステージ1はステージ0よりわずかに進んだ段階で、基本的にはがんが局所にとどまり、リンパ節転移がないものを指します。

がんの大きさで明確にステージが分かれ、乳がんでは2㎝以下、肺がんでは4㎝以下がステージ1と診断されます。リンパ節に転移が見られないステージ1までは早期がんと言われ、基本的に手術治療のみで完治が可能です。

「ステージ2」とは

ステージ2は、がんが局所にとどまらずリンパ節まで広がっている状態、つまりリンパ節転移が見られます。また、リンパ節転移が無くてもがんのサイズが大きいような場合もステージ2です。

がんが広がっているステージ2は、ステージ0、1の早期がんに対して進行がんと呼ばれます。ステージ2も手術治療が基本ですが、リンパ液や血液の中にすでにがん細胞が入り込んでいる可能性があり、手術で完全に取り切ったと思ってもリンパ節や他の臓器に再発することがあります。

実際、ステージ1と比較して、ステージ2からは5年生存率がガクっと低下します。

「ステージ3」「ステージ4」とは

ステージ3の前に、ステージ4についてお話します。

ステージ4は、他の臓器に転移(遠隔転移)がある状態です。元のがんの大きさやリンパ節転移の有無は関係なく、遠隔転移があれば自動的にステージ4と診断されます。

転移先としてよくあるのが、肺転移、肝転移、脳転移、骨転移などで、いずれもがん細胞が血液に乗って他の臓器まで飛んだと考えられます。

局所にとどまらず血液の中にがん細胞が存在している、つまり全身に回っている状態なので、手術でがんを切除することはできず、抗がん剤治療が行われます。

ただ、抗がん剤治療を行っても全身のがんをすべて死滅させることは難しく、5年生存率は大きく低下します。

乳がんを例にとってみるとステージ1の5年生存率が99%であるのに対して、ステージ4では40%まで低下します。胃がん、肺がん、胆のうがん、膵臓がんなどは、ステージ4の5年生存率が10%を切っています。

ステージ3はステージ2よりがんのサイズが大きかったりリンパ節転移が多かったりするのですが、ステージ4のように遠隔転移がない状態です。

ステージ3も基本的に手術が行われます。ただ、ステージ3になると目に見えないがんが広がっていて再発するリスクが高いので、手術前や手術後に抗がん剤治療を行い、再発の可能性を減らすことが必要となってきます。

ステージについてのまとめです。

  1. ステージとはがんの進行度を0~4の5段階で表したものです。
  2. 0から始まり、がんの広がり方で数字が大きくなっていきます。
  3. ステージ0、1は早期がんと言われ、治療で完治する可能性が高いです。
  4. ステージ2以上は進行がんと言われ、ステージが上がるにつれて治りにくくなります。
  5. 他の臓器への転移があるステージ4では、完治はかなり難しくなります。

末期がんについて

末期がんとは「もうこれ以上治療方法が残されていない状態」のことを言います。

よくステージ4=末期がんと勘違いされがちですが、ステージ4から完治することもありますので、必ずしもステージ4=末期がんではありません。

ただ、多くの医師がステージ4の患者さんに対して「完治は不可能で、抗がん剤による延命治療になる」という説明をしてしまうので、患者側は末期であると思ってしまうのかもしれません。

末期がんとなると余命が問題となりますが、実は余命って予測が外れることの方が多いんです。国立がん研究センターの医師を集めて、末期がん患者さんの余命を予測してもらうという実験がありした。

その結果、1/3しか予測が当たらず、1/3が余命を長く予測し、1/3が余命を短く予測していました。

がんの専門集団であるがんセンターの医師でも、1/3のしか当たらないのですから、余命予測は難しいのです。

また、末期がんいうと、呼吸困難であったり寝たきりだったりというイメージを持たれがちですが、亡くなる1か月前くらいまでは多くの患者さんが大きな支障なく日常生活を送ることができます。「本当に末期がんなの?」と言われるくらい元気な人もいます。

ただ、最後の1か月くらいから急速に状態が悪化し、様々な症状が見られるようになります。末期がんの予後予測ができる指標があります。それによると、①日常生活での動作が難しくなる。②口から物を食べられなくなる。③むくみが出る。④呼吸困難がある。⑤意識がもうろうとする。の5項目が揃うと3週間以内に死亡する確率が高くなるというものです。

末期がんのまとめです。

  1. 末期がんとはこれ以上治療方法が残されていないがんの状態を言います。ステージ4=末期がんではありません。
  2. 末期がんの余命予測はあまり当たりません。
  3. 末期がんとは言っても、亡くなる1か月くらい前までは元気な方が多いです。
  4. 余命が3週間以内であることを予測する指標があり、そちらは高い確率で予測できます。
濱元誠栄院長

余命がたとえ1か月と言われても、最期に自宅に戻られてから気持ちが元気になられて半年間生きる方もいます。

人間の体って分からないことが多いです。余命宣告をされてしまっても希望を失わずに行きましょう。

ステージや末期がんについてのよくある質問

ステージ1の乳がんで手術をしたら、次の外来は1年後と言われました。大丈夫でしょうか?

ガイドラインでは半年~1年ごとにマンモグラフィや乳腺エコーを行うとなっているので、問題ありません。がんの種類によっては3か月おきに行うものもあります。

ステージ4だからもう治らないと主治医に言われました。本当でしょうか。

基本的にはそうですが、がんの種類や状態にもよっては、長期生存したり治ったりするケースもあります。

限りなくステージ3に近いステージ2と言われました。ステージ2の中で悪い方ということでしょうか。

そうです。ステージ分類すると2になりますが、ステージ3の治療が行われることもあります。

ステージ0で手術したのに、がん保険がおりないと言われました。こんなことが許されてよいのでしょうか。

一部の古いがん保険では、ステージ0はがんに含めないと規定されています。契約時の規約におそらくそう書かれていると思います。ステージ0で発見されるがんが増えていますので、新たにがん保険を契約する方は気を付けた方が良いですね。

余命3か月と言われて慌てて終活したのに、痛みはあるけど3か月経っても元気です。医師の予測が外れたのでしょうか?

余命予測は2/3の確率で外れます。でも、ご自身の気力で延命できていると考えた方が気持ちは楽になると思います。

入院中に余命宣告をされた父が、自宅に戻ってきてから、元気になり畑仕事をしています。無理すると寿命を縮めるようなことはないでしょうか?

好きなことをして気力が満ちていると、予想よりも長生きする人がいます。熱中症や怪我に注意して、ぜひ続けさせてください。

末期がんで抗がん剤の味覚障害が残っていて、ご飯の味が分からないと言っているのに、アイスはよく食べます。なぜでしょうか?

メカニズムは不明ですが、冷たい刺激と一緒だと味覚を感じるようです。末期がんでアイスだけは食べられるという人は結構います。

濱元誠栄院長

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この記事を書いた人

1976年宮古島市生まれ。宮古島市立久松中学から鹿児島県のラ・サール高校に進学。鹿児島大学医学部を経て沖縄県立中部病院で研修医として勤務。杏林大学で外科の最先端医療を学んだのち再び沖縄県立中部病院、沖縄県立宮古病院、宮古徳洲会病院に外科医として勤務。2011年9月に上京しRDクリニックで再生医療に従事した後に、18年7月にがん遺伝子治療を専門とする銀座みやこクリニックを開院。

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